「少し手を抜くことを覚えたほうがいいよ」と某盟友に言われたことがあるが、こちらから願い下げだ。
「外科志望でもないのに何だってそんなに根詰めてやるのさ」と問われれば、「外科志望でないからこそ必死になる必要があるんだろう?」と聞き返す。
だってそうだろう? 外科志望の連中はこれから何年もかけて技術錬成していくんだろうが、“俺達”は、この二週間とスーパーローテートの3ヶ月間以外、もう生涯で外科研修を行うことが無いんだぞ?
「私は癌です。病巣を切り取ってください」といきなり外科を受診する患者はいない。総回診で教授に長々と説明しなけりゃならない現病歴を“作ってる”のは、恐らくは一番最初に患者がやってくる内科医だろう? なら、手遅れになる前に宜しく速やかに外科にコンサルトするためには、それ相応の知識と診断力が必要だろう?
内科医に対する文句を聞くことも多いけど、それは“文句を言われて然るべき”内容が多い。「学生の身分で何を言う」とか言われそうだが、逆にだからこそ、“さに在るまじ”という強力な指針が必要だと、思うんだけどね。