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魔法と魔術

まぁカテゴリー区分から「またか」と思われる方もおられるでしょうが、おつき合い頂ければ幸い。
どうも、大学で嘗てやっていたことは“魔術”であったらしい。それ故に、衰退したのだと。

「それはそうですけど———やっぱり他人に知られるとまずいんですか、魔術師って」
「そりゃあまずいさ。社会的にはどうでもいいがね、魔術のキレが落ちる。黒桐、ミステルの語源を知ってるか?」
橙子さんは机に身を乗り出して尋ねてきた。
「ミステルって、その、ミステリーの事ですか?」
「そうだよ。別に推理小説じゃなく、神秘という意味のミステール
「はあ。もとはギリシャ語ですよね、英語なんですから」
「……まあそうだな。ギリシャ語で閉ざすって意味。閉鎖、隠匿、自己完結をさす。神秘はね、神秘である事に意味があるんだ。隠しておく事が魔術の本質だ。正体の明かされた魔術は、いかなる超自然的技法を用いたとしても神秘にはなりえない。ただの手法になりさがる。そうなるとね、とたんにその魔術は弱くなるんだ。
魔術とて、もとは魔法だった。つまり源である根源から引いている決められた力には違いない。浮遊する神秘、というものがあるとするだろう? これには十の力がある。知っている人間が一人だけなら、十の力全てを使える。けれど知っている人間が二人なら、これは五と五に分けて使用される。ほら、力が弱くなった。言い方は違えど、この世のすべての基本的な法則だと思うがね、これは」

奈須きのこ空の境界<上>」

空の境界 上 (講談社ノベルス)

空の境界 上 (講談社ノベルス)

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