- 「魚鱗癬という病気に思った」: Shue氏「MedMedMed! Blog」
大学の講義、紙上の資料、これらをあんまり軽視しない方がいい。これらを学ぶ事に虚しさを覚えるべきではない。
病気の疫学、分類、病態、治療、予後−それらはもちろん医師となる上で必要な知識であると確信するが、その実像を全く知らずして一体どの様に生かせるんだろうか。
少しばかり語弊ありと判断する。病気の疫学、分類、病態、治療、予後——これらは実像を知ってから役立てるもの、ではない。実像を知るために必要な知識である。そして実像を知りうる能力の持ち主*1が、医師になれるだけの話。不十分な知識で見える“実像”など、群盲の評する巨像と同程度に“虚像”である、とだけ、言っておく。「時に医師をバッシングするあのマスコミの5分間の映像」もまた、対象の一側面の像に過ぎず、それで対象の全容を知るなど不可能だ。我々の仕事は「森を見て木も見る」仕事であるのだから。
但し。群盲の評する巨像は、部分的なことを言えば、一側面は極めて的確に評価されている場合もある。
*1:一応建前上、その能力=身に付けて然るべき知識の有無を評価するのが、国家試験なのだが。それが妥当な方法であるかどうかは、兎も角として。