まぁ、以下は私の意見であるが。
「利き手の矯正により有害事象が生じる可能性が、矯正しない場合に比して有意に差がある」という十分に信頼しうるevidenceはなさそうであるが、実際そんなevidence発生させるような実験が倫理的に許されるはずもなく。現段階ではこれまでに行われてきた各種実験から、「利き手の矯正は有害事象を発生させうる」という“状況証拠”に留まっている感がある。
ただ、状況証拠とはいえ、リスクとなりうる可能性があるなら、すべきではないだろう。まぁ、利き手矯正による神経回路の再構築の手間やら、理不尽な躾が与える情緒面での悪影響など、想像は難くないが。
それはそれとして。「左利きのままなのは躾がなってないからだ」という意見には非常に違和感を覚える。躾がなってないんじゃなくて、「箸は右手でもつものだ」と躾けられた—というよりは“刷り込まれた”—から、さも左利きが悪いように思われるだけじゃないのか? 「食事で不快に思う人もいる」というのは“不愉快になるよう刷り込まれた”からじゃないかね。
なお、道具が右利き仕様になってるのは、単に右利きが多いからなだけであって、右利きが優れているからではない*1。道具が右利き仕様だから右利きに矯正しなければならない、というのは“道具に使われる”、本末転倒な事象だろう(単に左利き仕様の道具を作ればいいだけで、実際最近そういう道具が増えてきている)。大方の問題は、「右利きが優れている/有利である/でなければならない」という合理性の無い概念がさっさと絶滅してくれれば、解決することなんだがな。
最後は、上記リンク先エントリで掲載されているレスで締めを。
303 名前: キンキキッズ(コネチカット州)[] 投稿日:2007/07/05(木) 13:05:37 ID: Ah69SxCwO
別にどっちだっていいじゃない
*1:念のため。左利きが有意に優れている訳でもない。「左利きには天才が多い」的発言は、都市伝説クラスの眉唾物だと思っておく。