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道の駅攻略戦グランドツアー ファイナル 道東制圧戦 Day5

ウトロ到着。タイムスタンプ確保。観光クルーザー全便欠航の憂き目orz。ホテルでもMy PCが上手く無線LANと接続できない。いやまいった。まぁともかく、旅行記どうぞ。

斜里温泉→国道334号オシンコシンの滝

斜里温泉を8:00頃出発して国道334号で一路ウトロを目指す。たかだが30km強。この時間なら10:00のクルーザー出航には十分間に合う。さて、安全運転でいこう。まずはウトロ手前の、有名なオシンコシンの滝に到着。

オシンコシンの滝


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立派にも駐車場や売店完備。混雑する前に到着し、早速滝の前まで少しばかりの階段を登る。これほどの規模の滝を間近でみられるのだから素晴らしい。
さて、階段を下りて売店に行ってみると「知床観光情報 本日の観光船・クルーザー 全便欠航」。
…あんですとっ!?
念のためクルーザー運営会社に電話を入れてみたが、やはり欠航とのこと。

晴れたとは言え、オホーツク海上に低気圧。この高波では漁師も出ないと。ついてねぇなぁ。
で、困ったぞ。午前中はまるまる全部クルージングに空けていたから、予定が空いてしまった。何するかな…。

国道334号→道の駅「ウトロ・シリエトク」


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とりあえず、道の駅「ウトロ・シリエトク」到着。態勢を立て直す。ここに来ても「全便欠航」の文字は変わらず。あーあ。
ただ、その下に「知床五湖 全開放」の1行が。…んー、ヒグマが出ると一湖・二湖だけの開放制限が出るよなぁ。明日ガイド付きで五湖散策はするんだけど、まぁ、行ってみるか。
という訳で急遽、知床五湖散策に変更となりましたとさ。

国道334号→知床自然センター→道道93号→知床五湖

ウトロを抜けて知床国立公園世界遺産登録地域に突入。まずは「知床自然センター」に行ってトイレとガイドブック購入*1。登山靴と雨具を装備して、いざ出発。
知床五湖は時計回りに遊歩道を散策するのがお約束。まず現れるのが一湖だ。

知床五湖・一湖 I


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遊歩道は右側の湖岸に沿って一湖を半周する。

知床五湖・一湖 II


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一湖を1/4回ったところ。一湖の西側は草原となっていて、その先はすぐに断崖絶壁。オホーツク海の海岸線だ。ここが海のすぐ傍だということをすっかり忘れてしまうほど立派な原始林だ。

知床五湖・一湖 III 小島に育つ楓


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遊歩道が一湖を離れる直前で一枚。対岸の中心奥に微かに写る人影がいたところが、「知床五湖・一湖 I」で撮影したところ。
手前にある岩の小島に赤い葉を付けた植物が。じつは楓が紅葉しているのだ。こんな岩場に根性出して頑張る楓。生きるというのはまさに“執念”なのだな。
ここから一度湖岸を離れ、二湖に向かう森の中の道となる。…ん、何か目の前を“黒い毛むくじゃら”が走りすぎたぞ? あーっ、エゾリスだ!
数十cmのところでご対面したところで、カメラを構える間もなくサッと逃げられてしまった。むー、くやしいなぁ。(実は、このリベンジは後日、東大雪でなされることになるのだが…それはもう少し先のお話)。

知床五湖・二湖


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二湖到着。ここからは背景に知床連山が望めるはずなのだが、今日は生憎の天気で雲被り。しゃーない。
一湖・二湖だけを巡る場合はここで引き返して、湖の間にあるショートカットルートで駐車場に戻る。でも今回はどーせ時間はある。それに全開放の時に回らなくていつまわるのだ。
二湖の北岸にそって遊歩道は続く。ほとんどの人(特にツアー客)は一湖・二湖めぐりだけで終えてしまうのか、ここからは途端に人気が少なくなる。そちらの方が動物の(主に鳥の)声が聴こえるのでいい。

知床五湖・三湖


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三湖到着。ここは知床五湖きってのミズバショウの群落地。ただし、ヒグマもミズバショウが大好物なので、花が咲く頃には三湖のみならず知床五湖全部が立ち入り禁止になってしまうのだが…。
三湖の北岸付近で木のノック音が。キツツキだ。…が、姿は見つからず。鳥ってなかなか見つからないんだよなぁ。

知床五湖・四湖


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四湖到着。四湖・五湖は湖岸に沿った道は無く、本道から湖岸に通じる盲端道があるのみ。知床五湖の中では最も奥(北東)にある湖だ。

知床五湖・五湖


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知床五湖の最終、五湖到着。さて湖岸の写真を撮ろうと思ったら、周りの観光客が俄かににぎやかに。皆がカメラを向ける方向に俺もカメラを向けると…いた!

アオガエル?


それはそれは見事に鮮やかな青い蛙が一匹。これは何ていう名前の蛙かな?
とまぁ、ゆっくり回って1時間強で知床五湖探索終了。さて、そろそろ小腹が空いてきた。何食おうか? あ、どうせなら羅臼まで行ってトド食べよう! ついでに羅臼で回りたいところ今日のうちに回ってしまえ。という訳でさらに急遽知床峠越えが決定してしまった。
帰り道、反対側の往路はとんでもない渋滞になっていた。早く来てよかった。
実は、道道の復路の途中でエゾシカを発見した。すげーと思いながらシャッター切りまくっていた。が、UPしてません。だって、この日の夜と明日、エゾシカでてんこ盛りになってしまったからね。

道道93号→国道334号→道の駅「知床・らうす」

国道334号に戻り、知床峠を登っていく。頂上では羅臼岳は雲の中微かに山麓が見えるのみ。強風に体温奪われて撤退。今日はホントについてない。
峠を下る…っておい、羅臼側の方が急勾配・急カーブ(ヘアピンカーブ)だらけじゃん。スピードは抑えて進みましょう。
海岸に下りて羅臼市街地のT字路を右折。国道335号が始まる…までもなく道の駅「知床・らうす」に到着。

道の駅「知床・らうす」


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1Fが観光情報案内と漁業組合直営の海産物販売場。2Fがお目当ての飲食店だ。海産物を一通り眺めた後、まずは腹ごしらえだ。2F「海馬屋たかさご」で昼食。orderは「馬鹿陶板焼き定食」¥2100也。海馬と鹿、な。
実はトド肉、「おにぎりあたためますか」の3人が唯一「うまい」と言わなかったらしい代物らしい。…んー、まぁ確かに臭い。が、「俺は今肉を食っている」と心から実感できる旨みがある。これはこれで俺は好きだなぁ。…ただ、鹿肉がもっと美味かったのはここだけの話だ(藁)。
腹もくちくなったところで改めて1Fで羅臼産ホッケと鮭を実家に射出。あとは羅臼町の観光情報を…ん、クルージング? しまったァ!!
そう、オホーツク海は大荒れでも、根室海峡は静かだったのだ。だから朝の9:00の段階で羅臼港側から出航するクルージングに切り替えておけば、知床岬に到達できたのだ。でもなければ、13:00発のクルーザーでホエール・ウォッチングと洒落込めばよかった。でもこの事実に気付いたのは13:20。うがぁ!!
という訳で、もし当blog読者様で知床観光をされる予定の方は御一考下さい。ちなみにウトロ-羅臼間は知床峠に止まらないなら40分程度で移動できます*2羅臼側観光船の案内はコチラ↓

…やれやれ、だ。

道道87号→マッカウス洞窟

道の駅を辞して国道335号を逆走。先ほどの国道334号とのT字路を今度は真っ直ぐすすみ、知床半島の東側に沿って走る道道87号を北へ走る。こちらは末端を目指す気はなかった(そもそも先にあるのは漁港と無人・無施設の温泉だけ)が、羅臼に来て見ておきたかった物がある。ヒカリゴケだ。
T字路から程なくして駐車場到着。岸壁直下の駐車場の真前に、洞窟—マッカウス洞窟がポッカリ口を空けていた。

ヒカリゴケ


なんだ、普通の苔じゃないか、とは言われますな。下の写真を比較されたい。

発光状態 左の地点から少しズレたところから

視点は1mもずらしていない。にも関わらずコケの光具合が全然違うことが分かっていただけるだろうか?
実は、“ヒカリゴケ”という名だがホタルやウミボタル、ヤコウチュウのような発光体を持っている訳ではなく、原糸体と呼ばれる個所が持つレンズ状の細胞により、特定の方向の光を反射し易くなっているため、特定の位置から見ると“反射して”光って見える、という訳だ。

国後島


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洞窟と道路を挟んですぐに海。根室海峡の向こうの青空に浮かぶは国後島。目前の海を隔てるは国境ではない。歴史だ。

道道87号→国道334号羅臼ビジターセンター→見返り峠付近→知床峠

マッカウス洞窟を後にする。羅臼でもう1か所行きたかったのは「羅臼ビジターセンター」。知床国立公園羅臼側の玄関口だ。

羅臼ビジターセンター

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羅臼知床の自然・動物の学習展示が多い。裏手からは羅臼岳への羅臼側登山口*3がある。その登山道の入り口すぐに間欠泉がある。

羅臼温泉の間欠泉


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が、掲示を見ると「数時間に一回程度の噴出」とある。おいおい、流石にそんなに待てんぜ。
さて、天気も回復してきた。アレを撮りに行こう。

見返り峠付近の羅臼岳(羅臼岳 I)

見返り峠付近から望む根室海峡(根室水道)


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最初の通過時よりもずっと雲が晴れた。あと、羅臼岳にかかるあの羽毛状の雲が少しでも減ってくれれば…
早々に知床峠に到着して、チャンスを待つ。

羅臼岳 II


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が、どうも雲の動きを見るにオホーツク海から吹き上げる海風が山体に衝突して出来ている雲らしい。つまり夕刻か明け方の凪しか晴れないということだ。流石にそんな時間帯に傾斜もカーブもきつい知床峠を攻めたくは無い。ま、コレで勘弁してやるか(負け惜しみ)。

国道334号ゴジラ岩→三段滝→カメ岩→夕陽台→オロンコ岩

知床峠を越えて、行ける限りで知床八景を含めた景勝地を攻略していく事に。

ゴジラ


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ウトロ名物ゴジラ岩。確かにゴジラだ。この岩の下がウトロ漁港。漁船・観光船・クルーザーの出航地だ。

三段滝


ウトロ市街地を抜けて斜里町側に少し進んだところにある滝。どうしてもオシンコシンの滝の方が有名であるが。

チャシコツ崎(カメ岩)


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ウトロの玄関口にある岩の岬。この岩を越えたところから宿泊施設が立ち並ぶ。地図上での正式名称はチャシコツ崎だが、その姿はまさにカメ(ウトロマップにも括弧書きで「カメ岩」と書いてある)。

夕陽台


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ウトロのホテル街のある高台の最も海側、国設知床野営場を回り込んだ林の奥にある場所。ただ、季節の都合上、この位置からだと市街地の奥に夕陽が沈んでしまう。市街地が写るのを嫌ったため、もう1か所に行って見ることに。

オロンコ岩


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ウトロ港近くにある高さ80mの巨大な岩。嘗て斜里アイヌとオロンコ族が戦った伝説がある場所だ。こいつには急だが登れる階段が付いている。こいつを登る。まぁ、どんな階段かは、「千と千尋の神隠し」の序盤で千尋が釜爺の所に行くのに駆け下りたあの外付け階段を連想されるのが正しいんじゃならろうか(藁)

“地の果て”の海に沈む


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先日の900草原と同じく、水平線近くに雲が垂れ込めてしまったため、完全な日没ではなくなってしまったが、真っ赤な夕陽がオホーツクの海に沈んでいく様子は、美しいの一言に限る。



…これは後の話だが、今夜と翌日案内してくれる事となるガイドの矢代さんによると、流氷の海に沈む夕陽も、また絶景らしい。白銀の海に沈む夕陽、割れ目に除く漆黒の海に琥珀の陽光が照らす。ああ、それは何て、ステキな光景だろうか。

さて、夕陽も撮ったし、ホテル行くかと思って振り返ったら…あ!

凪に白絹纏う羅臼岳


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一瞬風が止んで、羅臼岳を隠していた雲が薄らいだ。その下にあったのは…白銀の雪を抱いた山頂だった。
後で聞いた話だが、この日、羅臼岳は初冠雪だったらしい*4

ウトロ温泉→夜の動物ウォッチング

陽が完全に暮れしてまう前にオロンコ岩を降り、一路ホテルへ。悲しいかな、今回の旅史上最高額の宿泊地だ(泣)。もうちょっと根性出せば安い宿が見つかったのかもしれないが…まぁ、昨日の今日だ。一日ぐらい贅澤な日があっても良かろうよ。
早速腹いっぱい食事を取って。時を待つ。今日はまだまだ終わらない。これから始まるのは「夜の動物ウォッチング」。知床ネイチャーオフィスの企画の参加を予約しておいたんだ。
時刻は19:45。今日と明日のガイドを担当して頂いたのは知床ネイチャーオフィスの矢代武士さん。気の良いお方だ。楽しくなりそうである。以下、俺を含め総勢9名+矢代さんでいざ、深夜の知床へ!



ご縁があったので紹介しておくと、このネイチャーウォッチング、9名でワゴン車に乗り込み、岩尾内地区の林道をゆっくり進み、その間、全員(正確には窓際に座っている人)で、事前に渡されたサーチライトを使って動物を探す、というもの。知床ネイチャーオフィス以外にも2社、夜間動物ウオッチングを行っているガイド会社があるが、そちらはガイドが動物を見つけて客が皆でそれを見るというもの(大人数のバスツアーになる)。皆さんは、どちらがお好み? 俺は、前者だな。

なお、今回のウォッチングでは双眼鏡も貸してくれます。俺はほとんど使わなかったけど。愛器に望遠レンズ装着して、ISO感度は最大値3200。準備完了。
さて、どんな動物がいるかな?

闇に潜むエゾシカ I

闇に潜むエゾシカ II

闇に潜むエゾシカ III

闇に潜むエゾシカ IV


とまぁ、エゾシカのいることいること。ここでUPした以外にもかなりの数のエゾシカが姿を見せていた。ここ知床でもエゾシカの数が爆発的に増えているのだとか。オオカミがいなくなってしまったからなぁ。
今回はとても明るい満月だったので、知床レストハウス横の展望台でナイトウォーキング。三脚無しで月を撮ってもマトモな写真にならない(他の人もいるのでまさか三脚装備に時間を割いてもらうわけにもいかない)ので写真はないけれど、素敵な月夜だった。満月ってこんなに明るかったんだなあ。
知床五湖を後にして、再び動物探し。でもエゾシカ以外なかなか見つからない。何物かが食べた鱒の食痕(多分ヒグマ)は見つかれど、なかなか他の動物は見つからない。…それも仕方の無いことなんだが。時々ヒグマ、運が良ければモモンガ・クロテン、年に一回ぐらいシマフクロウ、ぐらいの頻度らしいので。
ただ、終盤に奴が姿を現した。

闇に潜むキタキツネ I

闇に潜むキタキツネ II


北海道の代表、キタキツネが道路脇で大事なしっぽの毛づくろい。なかなか愛らしい。そして何より、人に媚びてないのがいい。どうしても北海道を走っていると、エサもらいに近づいてくるキツネが多くて、好きにならんのだが*5、コイツはなかなか風格がある。
…とか何とか言ってる間にプログラム終了。実に楽しい時間だった。ちなみにお値段、御一人様¥3000なり。この楽しさに対しては、十分な代価だと思う。皆さんに是非オススメ(ウトロに宿泊しなけりゃなりませんが)。
明日は引き続き、矢代さんをガイドに今度は知床五湖探訪。さて、プロのガイドの見る自然はどんなものか、今日の俺の素人視点との違い、見せていただきましょう。
今日はあとは温泉に入ってぐっすり就寝。また、明日。

*1:完全にガイド任せにしていたので事前情報を取得していなかった

*2:俺調査。再現性は保障できません(藁)

*3:羅臼岳には計3本の登山道がある。ここ羅臼側からの登山道、斜里町岩尾別からの登山道、そして知床硫黄山に続く縦走路だ。

*4:知床ネイチャーオフィス日記2007年09月26日のエントリより。

*5:当然のことですが、野性動物に餌を与える行為は慎みましょう。

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