長いと思っていた今回のグランドツアーも今日を入れてあと2日。道の駅制圧も今日で達成。では旅行記をどうぞ。
釧路→和商市場
宿泊地を出てまず最初に向かったのは釧路和商市場。朝食と、お買い物。
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実家から購入を依頼されたのは、(有)三共食品の鰊の昆布巻き。味の良さもさることながら、少量ずつ真空パックになっているので贈答品に使うのにもってこい…なんだそうだ。だからって20個は買わせすぎだ(藁)
なお、ここには「鮭とばみりん漬け」なるものがある。名前そのまんまの代物なのだが、みりん漬けされている分、軟らかくなっていてしかも美味い。少々値が張るが、是非御賞味アレ。
朝食は勝手丼*1にしようかとも思ったが、去年既にやっているし、存外に金かかるんだよなコレ。という訳で旬のものという事で市場内の食堂「市場亭」でサンマ刺し定食を頂く。¥700なり。
腹もくちくなったところで、改めて出発。
国道38号→国道240号→道の駅「阿寒丹頂の里」
国道38号を西走。途中モダ石油で給油し、国道240号で北上。旧阿寒町*2市街地を抜けて、道の駅「阿寒丹頂の里」に到着。
道の駅「阿寒丹頂の里」
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ここの道の駅の裏にはタンチョウの飼育・観察施設「釧路市阿寒国際ツルセンター『グルス』」がある。今年の冬はここからタンチョウを観察していたが、今回は時間が無いのでパス。
国道240号→国道38号→道の駅「しらぬか恋問」
国道240号をそのまま北上すれば阿寒湖に続く。でも今日向かうのは西。それに釧路・根室地区には道の駅がもう一つ残っている。来た道を取って返し、再び国道38号へ合流。改めて西走再開。白糠町に突入してすぐに海岸沿いにあるのが釧路・根室地区最後の道の駅「しらぬか恋問」だ。
国道38号→豊頃町町道→ハルニレの木
道の駅「しらぬか恋問」を辞して国道38号で西走を再開。ここから先、暫し寄る所なし。ひたすら車を飛ばす。あっさりと十勝地区に突入し、池田町へ向かおうと道道73号に入ろうとした*3時、「ハルニレの木 左折」の案内板が。そういえば、豊頃町のカントリーサインはハルニレの木だったな。ということでちょっと寄り道。十勝川堤防上の道路を走り、河川敷に出たところに、その木は立っていた。
豊頃のハルニレ III
雲浮かぶ青空の下、十勝の広大さを思わせる広い河川敷の中に立つ樹齢140年のハルニレ。十勝開拓の時代を見守ってきた“証人”だ。
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道道73号→国道242号→池田IC→道東道→芽室IC→道道54号→道道133号→国道274号→道の駅「しかおい」
ワイン城の丘を降りて道道73号で池田町市街地を通過、国道242号に合流して北上。このまま北上すれば本別町、足寄町を経て陸別に続く道だ。でも今回は池田ICから道東道に乗り、一気に十勝平野を横断だ。
芽室ICで道東道を降り、道道2本で更に北上。国道274号に合流して鹿追町へ向かう。鹿追町役場の手前に、道の駅「しかおい」がある。
鹿追町町民ホール前プロムナード
神田日勝記念美術館
この鹿追に居を構え、農業の傍ら十勝の自然風景や農民の生活風景を描き続けた画家、神田日勝の作品が展示されている*5美術館である。嘗て盟友と共にココに来た事がある。神田日勝の独特の画風は嫌いではないが、苛酷な環境での生活を描いたものが多く、重いものが多い。美術の教科書や資料によく掲載されている『室内風景』(1970年)や『馬(絶筆)』(1970年)が有名だろうけど、俺の好きなのはやはり、十勝平野の広大な農地の美しさを描いた『扇が原展望』(1968年)と、雪輝く朝の牛舎を描いた『雪の農場』(1969年)だ。作品をもう一度見てみたかったけど、時間も押していたし、前回見ているので、今回は入館せずに、先述の2作品と『馬(絶筆)』の絵葉書を買ってきた。
国道274号→(道道771号)→鹿追チーズ工房→道の駅「うりまく」
鹿追市街地を抜けて北上。途中で雨が降り出した。程なく止んだが、右折点を間違えて何故か道道771号に少し入ってしまった。慌ててUターンのため小学校横の道に入って、ふと遠くに目を遣ると…あ、虹だ!
ヌプカの里にかかる虹
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遠くに見える東ヌプカウシヌプリの麓に立つ虹。虹の根元には宝があるというのはどこの伝承だったか。でも確かにあの根元には宝があるに違いない。あそこにあるのは十勝平野を一望できる名勝地「士幌高原ヌプカの里」なのだから。いつか行ってみたいものだ*6。道の駅攻略最終段階を飾るのに素晴らしい。
…まぁ、これは序章に過ぎなかった訳だが。
気を取り直して国道274号に戻り北上再開。今度は正しいところで右折して国道274号のまま少し東に走る*7。国道274号は程なく左折して北上を再開するが、十字路を右折して少しだけ南に向かう。十字路から幾らも進まないうちに到着するのは「鹿追チーズ工房」。
鹿追チーズ工房
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指導医のチーズ好きが一人いたのを思い出してお土産に一つ。そしてソフトクリームを食べる。…ん?
…これは美味い!!
思わず文字サイズを変えたくなるほど(笑)美味いソフトクリームだった。北海道じゅう走り廻って色々なところでソフトクリームを食べたが、これほど美味いのは他に類をみない。今年の旅の中でも第一に勧めたくなるものの一つだ。
さて、存分に満足したところで店を出た…ら、あ!
“ARK”
さっきよりももっと鮮明な虹が空にかかっていた。カミサマからのプレゼントだろうか。
ちなみにタイトルの元ネタは“ハルヒのアレ”と“シエル先輩”だったりする(藁)。ホントに駄目たコイツ。
道の駅「うりまく」
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道を取って返して北上し、国道274号沿いに道の駅「うりまく」がある。ここを以って北海道の道の駅99ヵ所制覇達成! 早速認定を受けて認定証とステッカーを受領する。ついでに2007年度スタンプラリー完走章に応募する。何か当たれ!
ここの道の駅は名産品販売よりも(それは同じく鹿追町にある道の駅「しかおい」が役を負っている)、隣接する「鹿追町ライディングパーク」(乗馬)や36面あるパークゴルフ場の基地としての役割が強い。まぁ一人旅で乗馬やパークゴルフやっても虚しいだけなんで(藁)、皆さんは是非誰かと来るヨロシ。
さて、俺の旅は「もうちょっとだけ続くんじゃ」。
国道274号→道道593号→道道85号→とるぱ「扇が原展望台」→然別湖
道の駅「うりまく」を辞して国道を北上すると程なくT字路になり国道274号は東に向かう。そのT字路でダメ押しの一撃。
“金色の里に降りた天使” II
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夕日映える金色の畑の山にかかる虹。美しい。
T字路で国道に別れを告げ、道道85号を北上。さっきまで遠くに眺めていたヌプカの山々へ突入。その山麓にあるのが、十勝平野を一望できる、神田日勝も描いた風景を望む地、扇が原展望台だ。
十勝平野の夕景 I
十勝平野の夕景 II
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逆光のためコントラストは良くないが、琥珀色の夕光に染まる広大な十勝平野はまさに絶景。
これより道道は東西ヌプカウシヌプリの間を走る。最高点の白樺峠を越えると、世界が一変する。突如息が白くなり、葉が色づく。そして道が1.5車線(げっ!)。その紅葉の合間に潜む湖が。
紅葉に潜む駒止湖
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この湖は湖岸には下りられない。鬱蒼とした木々の立ち並ぶ崖の眼下に潜む湖は、神秘的だ。
狭くて蛇行の激しい道を抜けると、もう一つの湖が姿を現した。
然別湖
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北海道を代表する自然湖*8。冬になればワカサギ釣りで賑わい、凍結した湖面上には“氷上温泉”が登場するこの湖も、今は夕日に彩られながら静かに紅葉を写すのみ。
ここから暫くすると突然道路は歩道付き2車線となり人で賑わう。然別温泉だ。ここが2年前に盟友と旅をした宿泊地。ココから先、冬季通行止めになる道に突入する。
旅館の裏へ続く道道はゲートを越えると再び1.5車線の狭い道になり、しかも湖岸に沿って走るため蛇行この上ない。挙句に周囲の森が深く暗い。さすが冬季通行止め、簡単には進ませてはくれないぜ! と思ったのも束の間、湖岸を離れた途端、また立派な2車線になる。まぁ、その方が安全に走れていいんだけどね。
湖の北に山田温泉がある。秘境の温泉っぽくて心惹かれたが、日没後の峠越えだけは勘弁だったので先を急ぐ。
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道道85号→幌鹿峠→国道273号→糠平温泉
道道85号をどんどん進む。山田温泉を過ぎた頃から坂道となり、高度を稼ぐ。最高点の幌鹿峠で日没ジャスト。
幌鹿峠
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ここからは国道合流までひたすら下り坂。急カーブが多いがスピードに気を付けていればどうということはない。国道を右折して程なく糠平温泉街へ。最後の宿泊地「山湖荘」に到着だ。
糠平温泉「山湖荘」
宿泊地を明示したのは、ここがオススメの宿だから。今年度の旅の俺的オススメ第1位。一人旅だとどうしても高くつくのだが、ここは一人1泊2食付きで¥6500と極めてリーズナブルなお値段なのに、内装は綺麗で、何より料理が凄い。
温泉豆腐
湯豆腐ならぬ“温泉”豆腐。豆腐を茹でているのは正真正銘の糠平温泉水。温泉に浸かった豆腐を頂く。至福の時。
ちなみに写真の色調がセピアチックなのは、食堂の照明はすべて和紙の灯篭のため。これもまた風情があっていい。
そしてこの日は満室だったらしく、「混雑のためご迷惑をお掛けします」の意で主人より大入袋を頂く。中身の額の過多に関わらず、この心遣いが嬉しい。
あと、この山湖荘を含め5件の宿泊施設では、宿泊客は無料で多施設の温泉に入ることが出来る。…とはいえ、あまり欲張ると湯冷めしてしまうので、中村屋の木の香香る風呂と、山湖荘の洞窟風呂を堪能。
で、客室の冊子を眺めると「NPO ひがし大雪自然ガイドセンター」のネイチャーガイドツアーの案内が。これだ!
という訳で早速明日の早朝ツアーの申し込みを済ませ、今日の夜は20:30から1時間ほど、星空観察会に参加。写真には写せなかったが、暗く宇宙近いこの地には満天の星空が広がっていた。
…旅の最後を飾るには最高のフィナーレだ。
明日は最終日。この旅もついに終局と、相成りましたとさ。