「BLACK LAGOON」は「涼宮ハルヒシリーズ」と同様、エンターテイメントの域を超えない程度ではあるが、それでも、たまーに、その域を超える事がある。
周囲に並ぶ碑銘さえ読めぬ墓標たちにおののいて、ジェイクは涙声で呟いた。
「…俺は…こんな場所で…誰にも知られずに死ぬなんて…そんなの、何も残らない! ただの無じゃないかッ!」
「そうだよ。無なんだよ」
レヴィは頷いて、虚ろな声で嘯く。まるで周囲の墓石の声を代弁するかのように。
「それが嫌なら吼えてみろ。その銃で、このクソッタレな世界に『今ここにいるぞ』と咆えてみろ。ソレが拳銃使いの流儀だ。誰かの命を撃ち抜いて、自分の命を拾うのさ。あたしらのこのクソクダラネェ人生も、その瞬間だけには意味がある」
(中略)
「さあ、踊ろうぜベイビィ。本当の人生を教えてやるよ。ようこそロアナプラへ。歓迎するぜ」虚淵玄・広江礼威 『ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ』
- 作者: 虚淵玄,広江礼威
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/07/19
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