大恩ある医局の先輩の転居の知らせの便りが来たので、年賀状用の住所録の書き換えを、東京で新たに見知った方々の新規登録とともに行っていたのだが...果たして、今年に発送するのは年賀状か、或いは「喪中につき年賀状遠慮申し候」か。母方の祖父が胆管癌でちょっとピンチ。デバイス不調で再入院するも、今回は無事退院できるようだが...孫が30歳になったのだ。齢80を超えた宿命ではあろうとは、医師としての理性は納得するものの、「お前が結婚するまでは死ねん」という、祖父の言葉が俺を縛る。母は「それは縁だから仕方が無い」とは言うが...。医師になり、更には東大まで出張る孫を誇りに思ってくれた祖父だが、あの言葉だけが、俺を呪縛する。まぁ凡そ、未練を残さない人間なぞ、おらんのだろうが。