twitterのTL上で化粧品の話が出たので。我が漢方の先逹は、昨今のアレルギー疾患を「腸管の微小な損傷部位から、食物の分解産物が血液内に侵入することで、経口免疫寛容をエスケープして免疫反応を起こすから生じるのではないか」という仮説を述べられていたのを思い出す。確かに、組織学を知るほど、腸管における「体内と体外の境界」が寿命24時間の腸管上皮細胞と、厚さ1μmにも満たない基底膜の2つのみによって規定されている(だからこそ容易く細菌類が門脈に侵入するので、粘膜-腸管免疫系という局所免疫部隊が存在する)のが、いかに心許ないか分かる。もし、ある種の化学物質によって、この境界が、分子レベルででも破綻していたら…。まぁ、このことをin vivoはおろかvitroで証明するのも、なかなか困難では、あろうがのう。
