2014-03-24 これもまた日本の歴史の積分 言霊 ふと、どうして日本には三一〇八もの温泉場と、数え切れぬ温泉宿が存在するのだろう、と思った。 答えはただひとつ、二千年もの間、どのような時代にも権威と無縁であり続け、貧富貴賤にかかわらず、みながみなその快楽と効用を尊んできたからである。 浅田次郎 (JAL機内誌「SKY WARD」連載『つばさよつばさ』第128回「皇帝たちの温泉」より)