とりあえず、「採血とルート確保以外の手技は、なぜそれをしなければならないのか、理由と目的を説明できない限り、科長を含め誰の依頼であったとしても、俺の患者にはその手技をさせない」ことに決めた。まぁ、俺は直接の指導医ではないので、指導医の主権を侵害しないように伝えるには工夫がいるだろうが…。
というか、少なくとも俺の時代にはそうだったと思うのだが。どうせルンバール(腰椎穿刺)の習得が必要不可欠(悪性腫瘍の中枢神経浸潤や髄膜炎診断に必須の手技)だと思って、麻酔科研修時代にやたら腰椎麻酔管理をしたがったものだが、当時の指導医に「なんでこの患者には全身麻酔じゃなくて腰椎麻酔での手術にしなければならないんだ?」と訊かれ、理由を答えて「正解じゃなかったらやらせないつもりだった」と言われたことはある。
患者さんに負担を負わせるのだ。然るべき理由を認識せずして、俺は手技実施を最早許可しない。
…しかし、「臨床研修」タグを、ついに指導者側から使うことになったかよ。年取ったねぇ、俺も。