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お薬手帳いつ使うの? 今でしょ!

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お薬手帳なんて普段使わないのにお金を取られるなんてばかばかしい」というカキコやツイを見かけるが。まぁ、その通りだな。多くの場合、"普段は使わない"のだ。普段は。
「じゃぁいつ使うの? 今でしょ!」と、私は外来で言いたくなる。というか、言っている。緊急入院をする事態になってしまった患者さんやそのご家族に対して、な。
まぁ俺の科は、緊急入院になることはよくある。急性白血病とか、悪性リンパ腫のすごいやつとか、多発性骨髄腫とか。急いで治療しなけりゃ命がヤバイ、ってときに、今までどんな病気で何の薬を飲んでいたのか、情報が無いとかなりまずいことになる。一つ、これから治療しようという時に使う薬が、既に飲んている薬とバッティング(重複や相互作用や、etc.)しないかどうかを確認しなけりゃいけない。もう一つ、だいたい緊急入院になった場合は普段の薬なんて持参してないことがほとんどである。2〜3日無くてもいい薬ならいざしらず、1日でも欠かすと命に関わってくるような薬だったら? そういう薬があるのは患者さんやそのご家族は分かってても、なんという名前の薬がどれだけの量飲んでいるのか分からなければ? どうせよと? 別に俺の科に関わらず、事故・外傷でも他の科の病気でもなんでもいい。そういう緊急事態になった時に、普段の内服薬の情報が無くて不利益を被るのは自分自身なのだと、考えておかれた方が良い、と私は思っている。
まぁ、実際には患者さんの命の危険を看過する訳にはいかないので、紹介元や普段通院している医療施設に問い合わせて処方内容を確認する、あるいは持参した錠剤の識別コードを調べる*1訳だけども、ものすごい人材と手間を要することと、「今すぐ知りたいのに(今すぐ治療したいのに)返事待ちかよ!」なんてこともある。手帳1冊で済む代価が、これである。そしてなぜか、手帳には20円かかるのに、こういう情報問い合わせにでは金額請求できないんだよね*2。1000円ぐらい取られるようにすれば、20円のありがたみも分かってくれるんじゃ、ないかねぇ。

*1:もっとも、この方法は粉薬ではできない

*2:このtweetのこと

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