今回の旅の主目的、富良野岳登山および高山植物撮影である。ただ、今回実家をベースキャンプ代わりに使ったので、予め連絡をとったら、父も同行したいと。嘗て上ホロカメットク山にアタックしたのだが悪天候のため引き返したことがあるのでリベンジしたいとのこと。登山を始めたのは父に同行したからなので、是非もなく受け入れたのだが…
6:10 十勝岳温泉登山口
9:06 撤退宣言
三峰山-富良野岳の稜線を巻く行程で、どうも父の足取りがおかしい。登りでもないのに3、4歩歩いては小休止している。上ホロ分岐で「俺が途中で無理だったら下で待ってるから登ってこい」と弱音を吐いていた。そんなわけにいくか、と返していたが。とはいえ、自分で同行すると言った手前、ギブアップ宣言はしにくいだろう。父に訊いた。
「…口惜しいが、帰るか?」
「…すまん、帰る」
富良野岳分岐を目前に、撤退することにしたのである。登山は人命優先である。