当直で未明に叩き起こされて業務を全うした後、「…眠れない。ここんところ鬱憤が溜まっている。よし、温泉行こう!」と衝動的に出かけたのであった。向かった先は、青荷温泉。
JR新青森駅→JR弘前駅-弘南鉄道弘前駅→弘南鉄道黒石駅
実はここに反省点があるが、それは後の考察にて。
弘前駅コンコース 佞武多(ねぷた)展示「大國主命」
真正面からより、こちらの方向から撮影した方がカッコいい。当然山車に乗るものなので、進行方向から見た方が良いに決まってる。
さてJR弘前駅から、弘南鉄道弘前駅(建物そのものはほぼ同一)の窓口で"割引もない"「往復乗車券」を買う。正直、帰りに切符を買う手間が省ける以上の利用価値はない。
弘南鉄道乗車。懐かしい切符への入鋏。 pic.twitter.com/jI9npblnva
— Terra Khan (@DrTerraKhan) 2018年8月25日
切符は厚紙で入鋏で乗車(有人駅のみ)。発射10分前くらいにならないと入場できない。
弘前の市街地を抜けたら、田園地帯を電車が駆け抜ける。…電車、なんだよなぁ。北海道だと、"汽車"(ディーゼル気動車)だよなぁ…。ともあれ、終着黒石駅へ。
黒石駅到達から、バス乗車まで約1時間。この折に行ったのが「こみせ通り」、そして食べたかったのが「つゆ焼きそば」。
こみせ通り
黒石名物つゆ焼きそば
今回の目的はコレ。JR弘前駅到着から弘南鉄道弘前駅発までの時間は約1時間。しかし駅そのものにはドトールとパン屋と蕎麦屋しかない。多分主たる飲食店は弘前城周辺なんだろう。しかしこの時間ではそこまで行っていられない。ということで空腹をこらえつつ黒石で昼飯とすることにしたのである。
ともあれ、黒石は焼きそばで有名らしい。つゆ焼きそばはそれにそばつゆもしくはアレンジしたつゆをかけたもの。
各種blogでは「妙光食堂」を推していたが、1時間以内に戻る必要があったことと、こみせ通りを撮影するつもりだったため、通りの末端にある「すずのや」に行くことにしたのである。
「すずのや」のつゆ焼きそば
…そのお味は別記の通り。
青荷温泉へ
さて、黒石駅に戻る。
弘南バス 黒石駅前バスのりば & 黒石観光案内所
俺の旅行では大抵現地の観光案内所を訪れるのであるが、今回は元々目的地が決まっていたのに加えて、それほど余剰時間が無かったため省略。なお今回はずっと手荷物は持っていた(キャリーケースの中のおよそ半分は撮影機材のため)ので利用しなかったが、手荷物は有料で預かってくれる。しかし黒石駅でも同じサービスがある。連携とれよ。
さて、山中にある青荷温泉まで行く方法は3つ。
- マイカーかレンタカーで向かう。ただし国道102号からの分岐以降、対向すら難しい林道(舗装ではある)を20〜30分ほど突っ切る必要がある。冬季は不可。
- 路線バス: 温湯・虹の湖公園線に乗り、虹の湖公園で宿のシャトルバスに乗り換える(行きのシャトルバスは要予約)
- 団体送迎プランがある(?): 駐車車両やシャトルバス乗員人数以上に宿泊客がいたことからの想定。全くの未確認。
今回は路線バスで虹の湖公園に向かい、そこからシャトルバスに乗る方法を採った。路線バスに馬鹿正直に乗ると黒石駅前-虹の湖公園で片道760円かかるが、黒石駅前バスターミナル営業所で「どさ湯さ券」というものを購入すると、1往復に限り途中乗車・下車でも700円という割引券がある。ただし有効期限が出発日より2日間であることと、宿泊施設での押印が必要でなことが条件である。さらに「弘南バス」のWebページに記載が一切ない! 青荷温泉旅館のWebページに辛うじて記載があるのみである。いささかズルい気がする。俺も他の客がこの券があるかどうか窓口に尋ねていたから、まだあることが分かったくらいである。
もう一つの留意点は、もし「こみせ通り」を観光してから黒石温泉郷・青荷温泉に向かうつもりなら、あらかじめ上記の「どさ湯さ券」を購入した上でこみせ通りに向かい、俺のようにわざわざ黒石駅に戻ることなく、こみせ通りにある「津軽こみせ駅」の前のバス停から乗れば良い。
虹の湖公園バス停からはシャトルバスが待ち構えているので移乗。前述の林道の如き道路を進む中ほどでスマホやPHSの通信は途絶える。ようこそ俗世を離れた世界へ!!
青荷温泉 ランプの宿
本館 玄関
「青荷温泉 ランプの宿」は少々面倒な造りになっている。上記本館玄関から駐車場を挟んだ向かい側に、最も浴槽の大きい「健六の湯」の棟がある。
青荷温泉 ランプの宿 健六の湯
本館と健六の湯の間に渡り廊下は無い。夜はランプの灯りを目印にこちらに行くことになる。
本館玄関からエントランス(?)に入り、ここで館内の説明を受けたあと、真っ直ぐ向かうと裏口があり、そこからゴムスリッパを履いて出た先に
青荷温泉 ランプの宿 本館と離れ(3棟)・混浴露天風呂・滝見の湯を繋ぐ
夕食
朝夕の食事をとる大広間も当然ランプ照明のみ。岩魚の塩焼き、山菜料理満載。
食事の途中で宿主から料理の説明と、宿泊時の注意事項(ランプに触れないこと、勝手に光度を変えないこと、など)をアナウンス。
津軽弁で説明されるのだが、山菜料理等の説明の後「隣の皿のがカルパッチョ、これだけオシャレな料理になっています」一同「www」
なお、俺の席のある一角は「単身旅行者組」。斜め向かいの方は群馬から高速道路乗ってここまで、左隣の方は京都からおいでであった。
青荷温泉 ランプの宿 帳場
客室(というか自室)
携帯・PHSは一切通じず、TV、ネット環境もなし。そもそもコンセントも無し(館内で電力が供給されているのは非常口告示灯・火災報知器・帳場の回線電話のみ!)。灯りは灯油ランプと手回し充電器の懐中電灯のみ! …たまにはさ、俗世を一切捨てて、ただお湯に浸かる時があっていいんじゃないんかな。
なお、布団も自分で敷きます。たまにはいいじゃない。
さて、通常レンズで撮ってもISO25600とか画質捨ててんのか設定とか、シャッター速度0.3秒とか手持ちで無理言うな、という事態になる。三脚は持ってきたけど、他のお客さんいるのにこんなもん使ったら邪魔だわ! と、さてどうしようかと悩んで、ようやくたどり着いた。
「超広角レンズ使えばいいのか」
広い範囲を視野に収める超広角レンズは口径が大きい。このため他のレンズより集光力が大きい。今回は別に広範囲を撮る気はないので撮りたい範囲に収めればよいのだ。
なお使用したレンズは「RICOH HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR」
本館・売店
黎明
本館内湯 浴室
…すんません、誰もいないのをいいことに撮っちゃいました。
本当は未明の暗闇のなかのランプを撮るつもりだったんだが、寝過ごしちまって午前4時台、黎明の空の蒼が入ってしまったが…まぁ、悪くないか。
最後に、本館と離れの脇に咲く花を紹介。
重い思いして超広角レンズ、マクロレンズを持ってきた甲斐はあったようだ
帰ろう、帰ればまた来られるから〜考察へ
朝食を摂ってからシャトルバスに乗り虹の湖公園へ。路線バスに乗り換えて黒石駅前へ。
JR新青森駅から黒石駅に至るルート
今回は青森-黒石の位置関係を予め調査することを怠り、「えきねっと」で黒石駅までの検索を行い奥羽本線→黒石駅のルートを選択、しかもJR、弘南鉄道ともに往復券を買ってしまったために修正不能になってしまった。時間、コストともに、新青森駅(始発は青森駅)から黒石駅前営業所には弘南バスに乗った方が有利なのである。
ただバスルートにも欠点がある。レンタカーで青荷温泉に向かうのでなければ、遅くとも今回使用した15:15黒石駅前営業所発のに乗るために最も妥当な便は11:15新青森駅南口発、12:55黒石駅前営業所の1本しかない。それより前の便は約2時間前発着、後ろの便は17時台に黒石駅着なので論外。このバスルートを選ぶためには、11:15新青森駅発に、その前の新幹線の到着時刻を合わせられるかどうかにかかってくる。自由度が無いのだ。
帰路も同様。バスルートを使って新青森駅に向かうには8:30青荷温泉発(冬季は8:20発)、9:00虹の湖公園バス停(シャトルバス・路線バス乗り換え)、9:22黒石駅前営業所着、10:20発11:06新青森駅南口着、の1ルートしかない。10:20発の次は14:20、実に4時間バスが無い。バスルートを使うには、予め行程の時刻設定をしておく必要がある。