卒論を書いているみんなへ
— ごま (@g_z_m_z) January 17, 2022
「仮説を立てて資料読んだけど思ってたのと違った、詰んだ」という事態に陥ったときには気象庁の記者会見を思い出そう。観測できたこと、そこからわかることを整理した上で、ここまでわかってここからわからないと示せたら、それは充分に誠実な科学的振る舞いなのです。
医学含め、"理系"を称すすべての学問に共通なのは。
- 仮説を立ててそれを立証できる
のはかっこいいが、世の中そう多くはなく。しかし。
- 仮説を立てて立証しようとしたが、逆の結果になった。気を付けろ!
- ある一定までは明らかになったが、そこから先は分からん! 後は頼む!
- こういうことがあったらうまくいかない。お前ら俺の屍を越えて行け!
俗に"negative data"と呼ぶが、こういう論文があったっていいのである。というか、そういうのを専門に扱う雑誌(ジャーナル)すらある。Plos Oneとて“publish first, judge later”、審査員はその結論が仮説に肯定的か否定的かではなく、"標準的な手法で実験操作と結果の解析が行われ、妥当な解釈に基づいた結論が記述されているかどうか"を審判するのである。
私はかつて日本内科学会地方会を「蚤の市」と言ったことがある。誰ぞが「今の地方会は研修医のデビュー戦にしかなっていない」というから。
まぁ、そうかもしれん。何時しか"初期研修医発表"、"後期研修医発表"なるカテゴリ分類がされたあたり、なおのこと。若手医師の登竜門、とは言いたくなる。
…だが、本当にそれだけだろうか?
発表こそ研修医だが、その発表には背後がある。ノルマだから仕方ない*1と思っている病院もあるかもしれないが、俺たちはそうあってはならないと思っている。とはいえ"カッコイイ結論"ってのは、最早大規模臨床研究でしか、なかなか得られないものだ。だから、せめてもの反撃をしかける。「ここまでは上手くいったが、本当それが正しいのか、基礎研究あと宜しくゥ!」「これはやってはアカン、気をつけろ!」「こういう陥穽もあるんだ、気をつけろ!」と言った意味の内容を選んで若人の発表させている。そして、他にも"同胞(病院)がいる"と思っているから、単に研修医の登竜門
などとは思わず、"何か面白いものはないかな?"と蚤の市を散策するのである。
若人諸君。いいから論文にしろ。できれば海外雑誌に。日本の雑誌に投稿すると"罵声を浴びさせて*2凹む"が、英語含め海外語で投稿すれば、返事が縦しんば"罵倒"の類であっても-大概はそんな下劣なものじゃないんだが-"罵倒されていることにすら気づかないから"。「あーそーですか。へいへい。」ぐらいの気分で送り返せばいいのだ。
>現状ワシの野生の勘の方が現実にピタッと合っている
— Terra Khan (@DrTerraKhan) January 17, 2022
森へお帰り
ここはあなたの住むべきところではないわ https://t.co/CiKoyKfJQN
私達は獣じゃない。"野生の勘"が主なら森へお帰り。
それがいかな結果であれ、それを正しいと言わしめる過程と実証があるから、投稿し、掲載され、新たな火種-未来を照らす篝火を生むの。