富士の樹海踏破訓練での笑い話。
— ラッコ2 (@c8VhZU4YPg1Q2gl) April 24, 2023
小休止中に安全係が。
『スリップ姿の若い女がメソメソ泣きながら歩いてくのを見た』と言い出した。
それを聞きつけた前衛から殿までほぼ全員が『それ、自分も見ました』と騒ぎ出す。
中隊長『バカ野郎、それは幽霊じゃなくて自殺志願者だ、追え!!』
私も富士の樹海をトレッキングしたことありますがね。
terra-khan.hatenablog.jp
罹患している疾患の症状故、希死念慮も無いわけではないが…だからこそ言っておく。
富士の樹海で自殺? ないわー
富士の樹海のただならぬ誤解
まずもって2009年のトレッキングですら、「富士山麓をトレッキングしてくるよ」と伝えたら誰それ構わず二言目には「死なないでね」。
死なねーよ。だいたいトレッキングしたのは国道139号と県道710号に挟まれた領域なので、縦しんば迷ったとしても北か南に行けばいずれ道路に辿り着く。そもそも、遊歩道が整備されているので、そこから外れさえしなければ、迷う訳が無いのである。
ただ、こうも思った。遊歩道から意図的に離れれば、絶対に遭難する。
理由は単純。そもそも富士の樹海は、富士五湖の(山中湖は除いて)原型となった"剗の海"を、富士山の溶岩流が埋め尽くした、そこに育った森林地帯なのである。溶岩流地帯なので地面は凸凹、岩は鋭く尖り、しかも東西南北どこを向いても似たような景色しかない。とはいえ、"方位磁石が効かなくなる"というのは眉唾物で、鉄分の多い火成岩の上に直置きした方位磁石が狂うのは当たり前、ちゃんと立って地面から離れたところで方位磁石を持てば正しく機能するし、なんとなれば太陽さえ見えれば大体の方角はつかめる。陸上自衛隊は、地図と方位磁針で樹海を踏破する訓練を行っている。それが上記のtweetである。
しかし、自殺を目的に、あえて"迷うことをしたならば"? 「やっぱり死にたくない!」と後悔しても、帰ることはできない。自分がどこにいるのか最早分からない。恐怖の中、溶岩の凸凹で躓き、その鋭利な縁で傷つき、少しずつ、少しずつ、体力を奪われながら、絶望と飢餓と渇きによって、「こんなはずじゃなかった! こんな苦しい死に方は嫌だ!!」という後悔の念を抱きつつ、"真綿で首を締められるように"死ぬ。それが樹海で死ぬという事だ。
嫌だ。俺は絶対に嫌だ。こんな死に方は、絶対にしたくない。