昨日の
terra-khan.hatenablog.jp
引き続き旅行中。
蔦温泉→国道102号→国道103号→道の駅「おおゆ」
雨が止んだタイミングを見計らって、蔦温泉旅館をチェックアウトし、荷物を急いで車の中へ。積み込んで運転席に座った瞬間、豪雨が始まった。間一髪。
昨日自転車を借りた奥入瀬渓流館でトイレを済ませ、昨日上り下りした奥入瀬渓流を車で登る。バイパスもあるのだが、バイパスの先の合流から湖岸に下る道が、一昨日スズメバチ(?)に追っかけられたヘアピンカーブの連続する道なので、大して役に立たない。
湖岸の「子ノ口」から十和田湖南岸を走る。休屋を抜けたら、秋田県突入だ。
豪雨!
和井内のT字路で左折し国道103号は十和田湖外輪山の峠「発荷峠」を越える。「発荷峠」からは十和田湖が一望できるとのことだが…ここで雨脚が激化。展望どころじゃねぇ! ワイパーをフルパワーで動かしても道が見えねえ! 命の危険を感じたよ。かといって、変に駐車して待っていて道路が封鎖されたら泣きを見るので、そろーり、進むことに。なんとか降りきって、民家が見えた時の安心感と言ったら!
道の駅「おおゆ」
とはいえ、大湯市街地に入っても雨脚が激しい。次の目的地で大雨ではどうにもならないので、道の駅「おおゆ」に避難し、雨脚が弱まるのを待つことに。
yunoeki-oyu.jp
ここで「じゅんさい」が売られていたので購入。帰ったら早速食べよう。
道の駅「おおゆ」→県道66号→「大湯ストーンサークル館」
雨脚が弱まったので出発。市街地を抜けて県道66号に入り、今回の1つ目の目的地「大湯ストーンサークル館」に到着。
「大湯ストーンサークル館」
day1でも青森県の「大森勝山遺跡」に行ったが、こちらの遺跡も「世界遺産『北海道・北東北の縄文遺跡群』」の1つ。しかしここは、数ある縄文時代の遺跡の中で4つしかない「特別史跡」の1つだ。
とりあえず館内に入る。無料でガイドもやっているようだが、次のガイド開始時間が11:10。現在10:40。しばらく待つか…と思ってたら、「いいよ、いいよ。もう行こう!」と、直ぐに対応してくれた。ありがたい。
ここの遺跡の最大の特徴である遺構は、これ。
これは「大湯ストーンサークル館」にあるレプリカだが、今日のエントリタイトルの前者は、これのこと。
「日時計」だ。まぁ、あくまでも正式名称は「日時計状組石」ではあるが。
大湯環状列石
この遺跡は、先の「大森勝山遺跡」と同じく、2本の河川に挟まれた台地の上にある。しかし大森勝山遺跡が縄文時代晩期であったのに対し、こちらはそれより1段階古い縄文時代後期(約4,000年前)に構築されたものだ。
さらにこの遺跡には環状列石が2つある。県道66号を挟んで南東側の「野中堂環状列石」と、北西側の「万座環状列石」だ。え? なんで県道がその間を走っているかって? 県道か建設されてから遺跡が見つかったからさ! 「ナスカの地上絵」かいな*1。
野中堂環状列石
「大湯ストーンサークル館」から県道を渡って、まずは「野中堂環状列石」を見学。ここの環状列石は、さらに外側をロープで囲われている。ロープの内側は立ち入り禁止。
外周の列石の内側に、例の「日時計状組石」がある。
最大径44mと、かなり大きい。一方、「大森勝山遺跡」の環状列石を構築する石がバラエティーに富んでいたのに対し、こちらは密度の濃淡こそあれ、概ね同じ大きさ、材質の石が並べられている。とはいえ、この石は台地の下にある川の河床から運んできたもの。1個あたり20kgくらいある石を、高低差10m以上あるのを登って持ってきた。そこまでしてでも建設する動機と理由があるはずなのだ。
万座環状列石
再び県道を渡って、今度は「万座環状列石」へ。
環状列石の向こう側に家屋が見える。「大森勝山遺跡」では小屋と呼べる建築物は1つしかなかったが、こちらは柱が4もしくは6本の屋根付き建物が、環状列石のさらに北西側に何棟もあったことが分かっている。それを復元している。
で、だ。ここの環状列石や家屋の土を調べると、どうも"人の遺骸があったらしい"ことが分かっている。となると、ここの環状列石は「墓地」で、小屋は「死体安置所」ということになる。
さらにこの環状列石には"入り口"がある。
勿論「日時計状組石」もある。
で、環状列石は、ほぼ同じ材質の石で構成されているといったが、ここには例外がある。
おわかり頂けるだろうか。「日時計状組石」の中心にあるような縦長の石が、環状列石のなかにある。
これ、実は環状列石の中心から、下から順に「夏至」「春分・秋分」「冬至」に日が沈む方向に概ね一致しているのである!
これだけなら偶々だろと言いたいところだが、この遺跡の特色は「日時計状組石」と言っただろう?
この遺跡は、太陽の運行を意識して構築されている。
再び「大湯ストーンサークル館」
多少小雨はぱらついたが、それほど雨に当たることも無く散策で来た。で、そこまで色々話をされて、館内展示を見ないという理由は無い!!
ということで、320円を支払い、展示物を閲覧。
遺跡のジオラマと、冬至・春分/秋分・夏至の太陽の運行をランプで示している。こういうの大好き!
石器、鏃、土器など沢山出土している。
複雑な形状の土器も産出している。
だが、"日時計"と対をなす、この遺跡の最大の特徴はこれだ!!
土版
たかだか2cm×3cmほどの小さなもの。「何に見える?」と訊かれて「ドーモ君!」と答えたが。
www.nhk.or.jp
ま、確かに四角くて大きな口があって左右に目があるからそうなのだが…"胸"に相当する部分にも穴があるので、なおさらそう見える。
が、少し待ってほしい。本当に胸だとするなら乳首は一つしかないのになぜ複数? そして、右と左で穴の数が違う…正中に穴は5つ、裏返して両肩に穴が3個づつ。
あれ?
- 口
- 目
- 右胸
- 左胸
- 正中
- 背中両肩
あ、これ「ヒトの形をした"数表"だ」。やろうと思えば1桁の自然数は全部表現できる*2。そうでなければ、胸の右と左の穴の数を変える必要はないのだ。
さらにすごいのが、実は、土版の下辺の中央から"口の穴"まで、トンネルがあったということだ。出土した際には、途中で土が詰まっていたので気づかなかったが、レプリカを造るために、3Dプリンタ射出のためにCTで撮像したら"下辺の穴"から"口"まで、穴が空いていることに気づいたそうだ。
ガイドさんは「杉田玄白が『解体新書』を記す前に、縄文人は解剖学を知っていたんだ!」と熱意をもって語られていたが、まぁ落ち着け。
土版きりたんぽ仮説
これは俺の妄想でしかないことを先に明言しておくが。
この土版は、板状の粘土に"串"を刺したのではないだろう。串に粘土を塗り付けて板状にした。きりたんぽと同じ手法だ。そこに穴をあけて整形して、火であぶる。これが作り方の基本形。で、途中で誰かが気づいた。"口"(表面から串に至る大型の穴"を造れば"中までこんがり"丈夫に焼ける。えー、口から下まで穴ってさぁ「飯食ったら糞になるから、マジでヒトじゃね?」と皆同じ手法で作り始めた…
県道66号→「ぐりとる」
「大湯ストーンサークル館」でチラシを見つけた。比内地鶏が食べたかったので、県道66号を南下し、花輪市街地へ。
「ぐりとる」
おひる。 pic.twitter.com/VtctvybtEx
— Terra Khan (@DrTerraKhan) July 24, 2024
「親子丼・ラーメンセット」を注文。ラーメンはまぁ、こんなもんかな、って感じだったが、親子丼がやばい。超美味い。これはすごい。
なお、店舗前に5台くらい駐車できる。駐車場があるかどうかって、車で旅行するときには重要な情報なんですよ。
「ぐりとる」→県道66号→「史跡尾去沢鉱山」
腹もくちくなった。ただ、ここから宿泊地に向かってもチェックイン可能時間よりかなり前に到着してしまう。この天気では散策もままならないだろう。ということで、もう1か所、立ち寄ってみることにした。
「史跡尾去沢鉱山」→道道66号→国道282号→市道→「大日靈貴神社」
道道66号を戻り国道282号に入り南下、途中で市道に入り向かうは「大日靈貴神社」。「おおひるめむちじんじゃ」と読みます。
「大日靈貴神社」
www.city.kazuno.lg.jp
JR花輪線「八幡平駅」近くに駐車し、参拝。御朱印が欲しかったが誰もおらず「御用の方はこちらの番号まで電話してください」の掲示が。そこまでして欲しくはないので、撤退。必要なのは御朱印ではない。御神力である。
「大日靈貴神社」→市道→国道282号→国道341号;県道23号→後生掛温泉旅館
神社を後にし、住宅街を抜けて国道282号に合流するT字路に至る。右折してそのまま国道341号に入ってそのまましばらく突っ走る。山道っぽいカーブが多くなったところで県道23号に入り、今回の旅で何度走ったであろう、カーブの多い暗い道を上る。その先にあるのが今回の宿泊地「後生掛温泉旅館」だ。
後生掛温泉旅館
投宿。 pic.twitter.com/DRAa4kTKK2
— Terra Khan (@DrTerraKhan) July 24, 2024
www.goshougake.com
「旅館部」「湯治部」「温泉棟」からなる。
道路から入ってまず見える駐車場は、ここから延びる散策路の探訪者、および「旅館部」宿泊客用(宿泊客優先)。日帰り入浴や「湯治部」利用の場合は、坂を下った下の駐車場を利用する必要がある。
宿泊客用駐車場から入る玄関も「旅館部」宿泊客専用。入ってチェックイン。で、「旅館部」宿泊客は階段を降りて大浴場のある「温泉棟」にいく訳だが、実は部屋の鍵に付随してカードキーがある。大浴場から旅館部に戻って来る時には、このカードキーで、自動ドアをあけなければならない。なお、その自動ドアの温泉棟側に、各部屋番号ごとに割り振られた無料の貴重品ロッカー(複数人宿泊の場合のために1部屋辺り2個のボックスを使用できる)があるので、部屋の鍵とカードキーはここに入れて、ロッカーキーを身に着けて入浴すればいい。
もちろん八幡平の麓、温泉は硫黄系(正確には「単純硫黄泉」)。なおシャワーは無いので、桶に湯を溜めて体を洗うことになる。大浴槽、露天風呂の他、打たせ湯、泥湯、蒸し風呂などバリエーションは豊富。ただ、蒸し風呂の構造は「新玉川温泉」から比べるとかなり稚拙(姿勢が悪くなるような構造)なので、早々に出た。
おゆはん
おゆはん。 pic.twitter.com/4lAb7FUBRL
— Terra Khan (@DrTerraKhan) July 24, 2024