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「腹を割って話そう!!」

俺の、臨床の現場に於ける「基本理念」の一つである。
勿論元ネタは、「水曜どうでしょう」のアレ。

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まあ、これは悪用ではあるが。

なまじ電子カルテが普及し、面と向かい合わなくとも"情報のやり取り"はできる時代になった。しかしだからこそ俺は言っている。研修に来た学生にも、研修医にも言っている。
患者さん本人にも、その御家族にも、外来・入院問わず看てくれる看護師さんにも、検査技師さんにも、薬剤師さんにも、理学・作業療法士さんにも、なんなら医事課や庶務、SEや用務の方々まで、意見があるなら言おう、意見があるなら聞こう、そのつもりでいけ。まずは話をしよう。それから妥当な解決策を練ろう。そのためにはまず面と向かい合うのが一番なのだ。
「腹を割って話そう!」
は、それの象徴である。

勿論、患者さん家族が遠方に居住している場合には、その御家庭の事情もあるので、なかなか来られない場合も多々ある。それでも、なれば「電話」ででも「肉声で情報を伝える」。これが結構効く。如何にIT技術が進歩し、SNSが跋扈しようとも
「腹を割って話そう!」
なのである。ジッサイ、電話でやりとりしてても、面と向かい合って話をしたら、「ああ、そういうことだったんですか。納得しました」…あ、今まで納得してないことがあったのね? そういう事例は多い。…例外はあるにせよ。

他科へのコンサルトもそう。自分ではできない事を他人に頼むのだから礼節を保つのは当然として、何故無理を言ってお願いしているのかは、やはり
「腹を割って話そう!」
「無理は百も承知、されどこれこれこういう事情で急いで処置をお願いしたい。でもなければ治療が遅れて患者さんが不利益を被ることになるのです!」
まぁ、俺はこれを「直訴でござる!」と呼んでいるが、こちとら患者さんファーストなんでな。恥も外聞もあるものか。而して、そこまで圧して頼む以上、なぜそうする必要があるのか、それが無ければどれだけ問題が生じるのか、ちゃんと依頼先に面と向かい合ってプレゼンすべきある。無理強いしてるんだから。印刷された紙きれ一枚で、無理が通るものかよ。

俺もだいぶ歳をとってしまったが、どうも医者という生き物はプライドが高いらしい。歳が嵩むほどに"他者に頭を下げる"ことができなくなるらしい。最近、そんな事例に遭ったので。
俺はそんなのは嫌だ。「自分に出来ない事が出来る人物には、仮令自分より年下だろうが経験年数が少なかろうが、頭を下げて頼まねばならない」と思っている。この点は、"高祖劉邦"の影響が強い。縦しんば相手が"以前に指導した研修医"であったとしても、先輩風を吹かせるのは御免だ。
「腹を割って話そう!」
「俺の患者さんの為に、君の技術が必要なのだ。どうか宜しく頼む」と礼をする。
それが出来なくなったら、もはや俺は医者である資格は無い。

「腹を割って話そう!」
俺が現役である限り、この信念は途絶えさせないのだ。
俺が道民でよかったと、心から思う理由の一つだ。

「腹を割って話そう!」

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