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我が推論

「俺たちにとって人間の流す血に白も黄色もない! すべて赤いんだよ!!」 とか「命に色はない」といった類の台詞を“世界中のドンパチやってる人たちに聞かせてやりたいぜ”とか宣ってくれる方々には、漏れなくこの言葉を突っ返して差し上げましょう。
「『同じ人間じゃないか。気にするなよ』なんていうでしょう。それって、同じでないと安心できないからなんですよね」*1
一昔前はどうだか知らないが、今日の対立の発生要因の一つは差別そのものではなく“多様性や異なる価値観を認知・許容できない”ことにある。差別を排撃する迂闊な同一性への渇望は、民族浄化原理主義に突っ走るという矛盾。
而して昨今の*2大規模な戦闘の主原因はそれですら、ない。ただの富*3と権力の衝突(加えて、富の不均衡による貧困)である。一部の指導者のそれを保守するために、マンパワーを動員しているに過ぎない。とはいえ、いくら指導者とはいえ「俺の金や権力を守るためにお前ら戦ってこい」と言って兵隊が動くワケがない。その事実から目を逸らさせる為に「同胞・祖国の防衛」といったアイデンティティーの共有意識を鼓舞しているに過ぎない。
差別への排撃だけで世界のドンパチが収まると思うなら、それは随分な楽観主義だ。多様性に対する認識不足と、経済上で人が人を喰らう現実がある限り、平和などやって来はしない。

*1:出典: 北海道新聞社会部編『銀のしずく』 北海道新聞

銀のしずく―アイヌ民族は、いま

銀のしずく―アイヌ民族は、いま

*2:元は「第二次大戦以後の」であったが、旧ソ連崩壊前はイデオロギー対立(但し必ずしも“資本主義vs共産主義”ではない)の色彩が強いので、経済状態のみが主要因とは言い切れないことから変更。

*3:多くの場合、油臭い。ダルフールしかり、アチェしかり、カフカスしかり。また先の見えない貧困の中、アイデンティティーを求めて戦闘集団のコマの一つに組み込まれていく。

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