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吾唯足知

余談。おK?



先の京都旅行—はついでで、あくまでも「日本血液学会総会」出席であったが—で、石庭で有名な龍安寺に行ったとき、「知足の蹲踞」も撮ってきた。

知足の蹲踞 I

知足の蹲踞 II


が、帰って来て、この話をすると、大概相手に呆れられた。「何でそんなマイナーなもの知ってるの?」
…まぁ理由は単純で、「wikipedia: 龍安寺」を調べてこういうものがあるから見てみたいと思った、というのが直接の理由か。問題は、何故見てみたいと思ったか。
これは水を貯める部分が漢字の“へん”や”つくり”といった部首の「口」になっていて、4つの漢字がそれを共有しているというユニークな表現になっている。その4つの漢字が「吾唯足知」、書き下して「われただるをる」。「自分の欲望を膨張されず、満足というものを知りなさい」という戒めの言葉なのである。
「欲望は膨張する」との言は某有名な独裁者のものとも、「韓非子」が原著とも言われているが、とかく人間と欲望—功名心やら金銭欲やら—が暴走しがちである。それ故、こういう「戒めの言葉」に感に入って、「知足の蹲踞」を見てみたかったというのが、ホントのところである。もちろん、龍安寺にあるものはレプリカであることは承知の上であることは、断りを入れておくが(藁)
「医療」のタグを入れたのは理由がある。我々医者も所詮人の子。上記の人間のさがからはなかなか逃れられぬ。まして、私のような若手から中堅への過渡期みたいな輩は、「生半可に出来るようになる」(上司は冷や冷やものであろうし、中堅どころにとっては馬鹿にしたくなる程度)分、兎角暴走し易いように思われる。ならば、「自らの力量の限界を自覚し、無意味な功名心を暴走させるべきではない」という自制の句は、我々にこそ必要なのではないか、と思うのである。「吾唯足知」とは少しずれるかもしれないが、「節度を知る」という基本概念は共通であろうという理念で、自省の意味を込めて今回のエントリを挙げさせて頂く。
…今回は俺が関わったことではないのだが、他人様のことは言えまいということで。

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