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辛い物好きが妄言を吐く


私は辛い物が大好きだ。トウガラシ系の辛さにはもう飽いた。生姜、山葵は勿論言うべくもなく、山椒・花椒の"シトラスの香り"は大好きだ。
だがしかし。ただ辛ければ良いというものではない。モノによっては食ったことに後悔するどころか吐き出したくなるのだ。

下劣: ただ”辛い"もの

一番嫌うもの。調味もクソもあったもんじゃない、只の罰ゲームもの。トウガラシの辛味だけ突出していて、他に何もない。痛み刺激にどれだけ耐えられるかという、文字通りの"罰ゲーム"でしかないもの。色々辛いメニューを出してくる店を食べ歩いていたが、大半がこれなので辟易する。普通のラーメンが美味しくて行き付けになっている店でも、辛いものとしてメニューに出してきたものを食べてみたらこの有態なので呆れたことがある。

ここからは、辛味を熟知した匠を技を広めたい。

波状攻撃型: 「蒙古タンメン中本」

辛い麺で有名な「蒙古タンメン中本」。うっかりすると上記の"ただ辛いもの"になりそうだが、そうではない。過去にtwtterで述べたことはあるが、ここの料理は確かに辛いのであるが、辛味と旨味が波のように押し寄せてくるのである。「辛れー、旨めー、辛れー、旨めー」。俺はこう表現する。「辛味の海の底に沈泥する旨味を求めるが如く」「辛味の海の向こう側にある旨味の島を目指して泳ぐが如く」。旨味など所詮化学調味料だと揶揄する者もいたが、その者に訊きたい。「白菜が甘いことを知っているか?」白菜に糖分はほとんどない。ならばその甘みは白菜のアミノ酸の甘みだ。そういうものを味わうための辛味なのだ。

裾野型

辛いのは辛い。しかししっかり他の香辛料が辛さのピークの"裾野"をなしているので味わい深いパターン。裾野がなくただ辛いだけの"下劣"のカウンターパートとも言える。さらにこのカテゴリの強みは"ピークを自分で選べる"ことにある。辛さの段階がきめ細かく設定されている店があるのはそのため。低ければ後述の"調和型"になり、辛さ番号を挙げていけば徐々に辛さだけが際立つものになっていく。およそすべての"除外されるべきモノではない"北海道のスープカレー店はこれに該当する。だから、余程物好きでなければ、低い番号から食べればよいのだ。

北海道

札幌
  • PICANTE

www.picante.jp
超弩級の老舗。20年以上前、大学の某部活の先々代の会長が「客がなかなか来ないねえ」と店長と語らってたという縁がある。4段階しかないですが、2番でも結構なのでまずは1番を頼みましょう。

www.magicspice.net
スープカレーの元祖、とのこと。旨いが、超激辛の類はお勧めしないよ。

  • 龍祈

www.tatsuki-curry.jp
新型コロナウイルス流行の前に、札幌ススキノで飲んだ最後に〆る場所がここだった。俺が辛さ25番を頼んだので、連れてきた後輩が8番を頼んだら轟沈した。普通は1番から3番を頼みましょう。

旭川
  • Asian Bar RAMAI

www.ramai.co.jp
北海道に全道展開してますが発祥は旭川なので。辛さは番号順とは別の階級別辛さがありますが、こってり感が強いのであまり気にならないかも…という私の感想はあてになさらぬよう。

函館
  • 吉田商店

http://yoshidashowten.com/
今のところ函館でオススメできるスープカレー店の一つ。

東京

  • だいすき日本

そもそもからして、ここはカレー専門店ではない。ネパール料理店だ。とはいえ、ランチでカレーを出しているのでそうとも言い切れないのだが。
前もって言っておきますが、ここのカレーに辛さを求めてはいけません。ちっとも辛くありません。「辛いのお願い」と頼んだことはありますが、さっぱり辛くありません。その代わり、香辛料の海に溺れることができます。あぁ、うまい…。
…おっと、ここは本質から外れる。

  • 楊 2号店

www.hotpepper.jp
孤独のグルメ」にも登場したという池袋の四川料理店。正直唐辛子の痛みによる"ただ辛いもの"とは別次元。"汁なし担々麵"は挑戦しないことをお勧めする。トウガラシではなく山椒の辛味の押しつぶされるから。ただ他の四川料理はとても美味い。麻婆豆腐は辛さを味わうのに丁度いいかもしれない。

調和型

そして最初に戻る。グリコやハウス食品は、上記のようなぶっ飛んだものは出したりしない。その代わり、唐辛子の辛味の他、胡椒・生姜・酸味(リンゴ酸・クエン酸)・苦味(クミン?)といったありとあらゆる香味が整然とした隊列をなしてやって来るようなものである。辛味が突出して際立つでもないし、味が波のように繰り返すでもない、調和した味が舌を蹂躙する感覚、と言え良いのだろうか。
ただ、まぁそうなるだろうな、とは思う。「鉄腕DASH」でカレー粉の調味をハウス食品の研究所でやっていたのを放送した際に、長瀬が音楽の調和に例えたのは実に的確かもしれない。荒ぶるそれぞれの味の調味は、音の調律に似たものかもしれない。そのエキスパートが調味したんだ。今までの調味がライブなら、ここはコンサートだ。

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