智に働けば角かどが立つ。情に棹さおさせば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
この一節は知ってはいたが、だからと言って特段興味もなかったので『草枕』は読んでいなかったのであるが。しかしこれには続きがあったのだな。
ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
「"人の世が住みにくい"からといって、その世界を抜けだした次は"人外のもっとヤバい世界だぞ"」と。住みにくい"人の世"を生き抜いてこそ、詩が生まれ、画が生まれるのだと続く。なんかどっかで聞いたような話だな。