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因果が逆

nazology.net
うわぁ…
としか思えない。
鬱状態の根幹は「やる気がない」ではない。"生命の根幹の喪失"である。"生命の根幹の喪失"とは何か? 「子孫を残すこと」「自分のゲノムを後の時間にも伝えさせること」である。これはウイルスから細菌から多細胞生物まで、生命の根幹だ。そのためには

  • 外敵の妨害(感染)を防ぐ
  • エネルギー代謝を行い、繁殖(増殖)するためにより優位な状況にする
  • 繁殖行動を行う

が生命活動の基盤になる。もっとも、ウイルスは上2つの条件を宿主たるモノに丸投げしているのではあるが。

さて、話は戻って"生命の基本的根幹の喪失"とは。上記の条件の裏返しである。

  • 風呂に入らない=衛生環境を保てない→感染症に対する防御の意識の消失
  • 食欲の減退→エネルギー代謝の維持が困難
  • インポテンツになる→生命の最重要項目「自己のゲノムの温存」の欠落

ということは、だ。「入浴はうつ病を予防できる」のではなく「そもそも、多くのうつ病患者は風呂に入りたがらない」というか「入る意義すら喪失している」のである。
だから入浴の頻度が少ない集団では、健常者よりうつ病に罹患している人が多いのである。健常者にも"横着者"はいるだろうから、入浴頻度が少ない人もいるだろう。ただその割合には、確実に差が出る。しかし、前述の通りうつ病に罹患しているから入浴頻度が少なくなる」のであって、「入浴頻度が多ければうつ病に罹患しなくなる"のではない"のだ。
これが統計のミスリードの一つである。さも"対照群"を設けて"有意差があった"から「結論はこうだ」と言っているのには、注意しなければならない。原因と結果を逆にして、正しくない結論を導き出す、あるいは意図的にそう仕向けている可能性がある。
ちなみに、「毎日お風呂に入ると『うつ病』を予防できるか?」という疑問を解決するには、こうすればよい。条件が一致した200名のボランティアを募り、ランダムに「A群: 1週間に入浴は2回以内」「B群: 毎日入浴」の2群に割り振り、半年間そのような生活を送ってもらい、半年後にうつ状態をスコア化(高値ほど重度)し、A群とB群でB群の方がスコアが低ければ「毎日入浴した方がうつ状態になりにくい」と言えるのである。

"論文に掲載された"・"有意差がある"なんて、妄信しちゃいけないのさ。ご用心、ご用心。

なお「なんでお前が鬱状態の事を言い切れるんだ!」というツッコミには応じない。なにせ10年程前は俺がそうだったからさ!!

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