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「いいひと」評価論

…先の話はかなりスレた話。「いいひと」という評価は、決して喜ばしいものではないと感じる理由はもう一つ。自分自身を全く「いいひと」とは思っていないせいである。
只の謙遜(を通り越して時に“自虐”や“卑下”になってるあたり、これまた愚かしいのであるが)の類によるものではない、という釈明が必要であろう。というより、相方(?)に奨められて読んだ『魯迅評論集』の「私は人をだましたい」に影響されるところが大きい。
引用すると長くなりすぎるので、是非とも原著を読んで頂きたいのであるが、要するに「いいひと」と言われると、魯迅の表現を借りるならば「良いことをしたと感じるが、しかし直ちに気持ちが悪くなって、石鹸か何かを食ったようになった。」(魯迅が何故この様な感覚を覚えたかが原著のミソなので、やっぱり読まれたし)
私の場合は、仮令その人に出来たことがその人にとって良いことであったとしても、それは偶々俺がそうしようと思っていた(気まぐれの事だってあるし、何ぞの特別な感情に起因することもあるが、それは相手と場合による)時に、偶々そうする機会に恵まれただけのことであって、では別な人物にも同じようなことが出来たかどうか(この段階で俺のエゴが激しく介入する訳で)、また同じ人であってもタイミングを逃せばまた果たして出来たかどうか、甚だ怪しいものだ。という訳で、とりあえず“その人に”感謝されこそすれ、「いいひと」という評価に値するかといえば、既述の理由により該当しないと思うわけだ。加えて、そんな“恣意的+偶然”の産物で「いいひと」の評価を受けてしまっては、何だか相手を騙してしまっている様で、今一つ溜飲が下がらないのである。
それでもやっぱり「私は人をだましたい」のだから、まぁいいのか。だから俺の行動はいつだって“偽善の切り売り”なんだろうなぁ。

魯迅評論集 (岩波文庫)

魯迅評論集 (岩波文庫)

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