- 「献身と超人の限界」: ザウエル先生「ザウエリズム 【Zawerhythm】」
これが、すべてでしょう。“セイギノミカタのナレノハテ”。
目に見える締め付けばかりが大きくなって行き、「患者さんを救いたい」とか「感謝されるのがやりがい」といって医師を目指した多くの人間が、それこそ寝ずに、懸命に医療行為に当たっても容態が悪くなれば、家族に「医療ミスじゃないんですか!」なんて言われて訴訟をおこされるとか、別段緊急でもない症状で真夜中に受診する患者に「病院の態度が悪い」なんて怒鳴られたりしているうちに、なんだかいろいろ歪んでしまうのです。
おそらく今後もしばらくは、そんな現状の中でも、ごくごく少数の医師が待遇改善なんてことを言い出さずに、厳しい状況の中で自分を犠牲にして働く姿を「これこそ医師の姿」なんて美しく報道し、もう限界に達して「休みを!」と叫ぶ医師たちを「患者の気持ちを考えない医者」とかいってバッシングするのだと思います。ただ、そうして、スーパーマンを唯一正しい医者として設定してしまうと、多くの凡人は間違いなくぶっつぶれると思います。