新しい治療薬・治療法が登場したからといって、それが必ずしも従来の治療より効果的とは限らない*1。また、奏功率が高くても、副作用発生率や致死率が高いのでは、これまた使いにくい代物である。
その為の治験、その為の症例蓄積である。奏功率や副作用を*2明らかにできないのであれば、“新たな”という言葉に踊らさせれて使用を急かすような活動には、私は賛同しかねる。急げるモンなら急いで欲しいけどね、慎重さを失う訳にはいかない*3。
なお「この薬さえあれば助かった人がいたかもしれないのに」という反駁は、よもや無いと思うが。だってこの反駁には、「じゃあもし何らかの危険性が分かったときに、あるいはこれまでの治療法の方が良かったって分かったときに、使用を推進した君らは、生じた被害に対して責任取れるの?」という質問返しが生じてしまうからね。
助かるかもしれない、でも、もっと危険かもしれない。“未知”に対して、この世の誰一人として、責任なんか取れやしないんだから。