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北海道脱出! Day2 富士山麓攻略戦I

本日曇天にて富士山こそ望めないが、低地はそれなりに晴れ始めた。所定通り青木が原樹海トレッキング開始。

河口湖温泉郷河口湖駅→西湖コウモリ穴

まず、徒歩で河口湖温泉郷から河口湖大橋を渡り河口湖駅へ。

河口湖大橋から望む河口湖・御坂山塊


河口湖大橋から御坂山塊を望む。
河口湖駅前から発射する河口湖・西湖周遊レトロバスに乗車する。河口湖南岸・西湖南岸をバスは走り、最初の目的地「西湖コウモリ穴」に到着。

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西湖コウモリ穴は富士山麓の風穴の中でも最大級の風穴。内部が冷涼かつ年間通して一定の環境にあるため、昔からコウモリが生息している場所として有名だった。最近は個体数が減少したため、入口にゲートを設けて入洞人数を制限している。入洞には入洞料(大人一人¥300)が必要。内部は狭いので、ここでヘルメットをもらって、いざ入洞へ。ゲートから数分の樹海散策で、コウモリ穴入口に到着。

西湖コウモリ穴入口


格子窓が横長な部分からコウモリが出入りできるように設計されている。では、いざ入洞!

西湖コウモリ穴・大広間から入口を見返す


入口からすぐに大広間がある。そこから入口を見返す。

西湖コウモリ穴 巨人の足跡状広場


広間の名は「巨人の足跡状広場」。入口からすぐに大広間があるのは、天井が崩落して内部空洞が広がってしまったから。

西湖コウモリ穴 内部


大広間から奥は急に狭くなり、天井までの高さは1mもない。しゃがみながらでもなければ四つん這いにでもなりながら進む他はない。実際は地面は湿気でドロドロなので四つん這いにはなりたくないが。インディージョーンズの冒険の気分なら存分に味わえる。

西湖コウモリ穴 溶岩鐘乳石


天井は所々トゲトゲになっていて、ヘルメットの有難味が良く分かる。通常の鍾乳洞と同じように、地下水に溶解した岩石成分が滴下して形成する溶岩鍾乳石だ。溶岩台地からガス成分や溶解溶岩が抜け出たのが風穴。石灰岩台地を炭酸を含む雨水や地下水が溶解して形成するのが鍾乳洞。形成機序が違うが、一旦洞窟が出来てしまえば同じようなことは起きる。

西湖コウモリ穴 縄状溶岩


一方こちらは溶岩でできた洞窟ならではの光景。半分固まったドロドロの溶岩が緩い傾斜を流れると、表面は冷えて固まるが内部がまだ流動性を持っているので上部の皮の部分が下部の流動に引っ張られて縄を何本も並べたような凹凸の縞模様になる。

西湖コウモリ穴 最深部


全長350mある西湖コウモリ穴のうち、一般人が入れるのはここまで。ここから先は電灯もない真の闇が支配する世界。コウモリの塒だ。
ここからは、出口方向に向かって進む。

西湖コウモリ穴 珪藻土


珪藻土線とは、水中に生息する珪藻が付着し、水位が低下した後に珪藻の遺骸だけが残されて出来たもの。つまり、この西湖コウモリ穴は、溶岩台地の陸上で形成されたあと*1、水位が回復した湖の湖水がこの水位まで洞穴内に侵入していた事を示す。この位置は現在の西湖よりも20m水位が高い。現在の西湖・精進湖のもととなった「剗の海」の名残りなのだ。
さて、復路も最初の大広間で合流し外界へ脱出。外の明るさに目がくらむ。

西湖コウモリ穴→西湖民宿(三湖台登山口)→三湖台

西湖コウモリ穴から徒歩でバス路線を逆走し、西湖民宿村に到着。その東端にある「三湖台登山口」から、トレッキング開始。

三湖台登山口



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11:23、三湖台山頂到着。麓から頂上までずっと急勾配なのは新手の拷問かと思った(苦笑)。森が切れたらいきなり山頂だった。

三湖台から望む富士山

三湖台から望む西湖

三湖台から望む青木ヶ原樹海 I

三湖台から望む青木ヶ原樹海 II

三湖台から望む鬼ヶ岳

三湖台から望む根場民宿・王岳

三湖台から望む御坂山塊(王岳・鬼ヶ岳・十二ヶ岳)


三湖台→紅葉台

三湖台から紅葉台までは緩い下り坂が続くだけ。余裕。

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実は国道から紅葉台まではダートとは言え車道がある。観光案内には悪路とあるが、大雪山高原温泉や銀泉台クラス・・・とは何とも道民にしか分かりにくい例えであるが。まあ実のところ、マイカーがあれば俺の見た展望は余り労せずして見られる訳だ(苦笑)。もし同場所を訪れる際にはご参考下さいな。
紅葉台には随分とボロい古めかしい展望台があって、屋上の展望テラスに上るには¥100かかる(苦笑)。こんなところでケチっていても仕方がない。管理人の老夫婦が「青木ヶ原樹海は私たちの庭」と豪語するくらい、ほぼ視界360°に展開される広大な樹海は、確かに見ものだ。

紅葉台から望む富士

紅葉台から望む青木ヶ原樹海 I

紅葉台から望む西湖・御坂山塊

紅葉台から望む青木ヶ原樹海 II

紅葉台から望む鳴沢村全景


紅葉台→竜宮洞穴

紅葉台からは車道を背に東海自然歩道を下る。このまま行けば鳴沢氷穴に至るが、もう一カ所の洞穴「竜宮洞穴」を目指す。
本線から分岐する九十九折りの道を下るのだが、登上の急勾配の逆を行く断崖をジグザグに下っていく。足を滑らせば真っ逆様に落ちてしまうので気が抜けない。
さて、急勾配を下り終えて後は平坦な道。青木が原の樹海を進む。途中、竜宮洞穴への案内標識があり本線から分岐する道を進み樹海の中へ。…不意に、歩道周囲のロープに紙垂しでが下がるようになる。…結界か。
道の先に、静寂な樹海の中にぽっかりと口をあけた洞穴が待っていた。竜宮洞穴だ。

竜宮洞穴 I


水の神「豊玉姫命」を祭り、その昔干ばつの際にここで雨ごいをしたという。今でも毎年8月2日には竜宮神社の祭典が行われる。
西湖コウモリ穴や後述する鳴沢氷穴富岳風穴と異なり、この洞穴は崩落が激しいため一般者は入洞禁止。ただ、入口まで寄ってみた。

竜宮洞穴 II


この辺りから、洞穴内部の冷気で急に気温が下がる。他に誰もいない静寂が支配する樹海の中でのこの冷気は、一種の恐怖さえ覚える。

竜宮洞穴 III


近寄れるのはここまで。奥から流れ出す冷気と、天井から張り出す溶岩の岩盤の圧迫感で鳥肌が立つ。

竜宮洞穴 IV 洞穴入口から樹海を仰ぐ


入口から仰ぎ見ると、樹海の木々がすぐそこまで根を下ろしている。

竜宮洞穴 V 樹海に潜む洞穴


洞穴遠景。樹海のなかにぽっかりと口を開けているのがわかる。

竜宮洞穴→鳴沢氷穴

竜宮洞穴からは道をとって返し、一路鳴沢氷穴へ。

東海自然歩道 紅葉台山麓


木漏れ日射す散策路は整備されている。ウッドチップが敷かれている訳ではないが、場所によっては落ち葉が積み重なり柔らかく、歩き疲れた足にはとても優しい。
…が、途中までは何のことはなかったが、途中から上り坂になった挙げ句、踏み跡が幾筋にも別れどれが本線なのやら。俺も青木が原で遭難か? さにあらず。鳴沢氷穴に行くには国道を越えねばならず、実際車の喧騒はすぐ傍で聞こえていたので大した事ではなかったんだけど。それでも、国道のアンダーパスを見たときには安心したかな。

東海自然歩道 国道139号アンダーパス



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そのまま遊歩道を進み、鳴沢氷穴に到着。
鳴沢氷穴は青木が原樹海にある代表的な風穴の一つだが、内部に形成される氷洵が有名なため氷穴の名がついている(実際には鳴沢氷穴も、後に登場する富岳風穴も、内部の気温は0℃ではあるので一緒)。それでも、昨今の温暖化で内部の万年氷が維持できなくなったため、外部から氷を搬入して洞穴内の気温を氷点下に保っているのだとか。…観光客の放つ体温も十分熱源だと思うがどうか?

鳴沢氷穴富岳風穴

鳴沢氷穴からは再び樹海散策路を歩き、富岳風穴を目指す。このあたりで改めて樹海の樹木を繁々と眺めてみる。
いささか脱線するが、青木が原樹海は“自殺の名所”という何とも不名誉な俗称を頂いてるが、正直な感想として「ここは自殺するために来る場所じゃない」。確かに極端に広大だし、同じような風景が延々と反復する(このあたりは後日写真Up時にでも)から“遭難”はするだろう、コースを外れれば。ただ、それは大雪山系とて同じなのでは? (事実「SOS事件」なる遭難事件も起きているのだから。トムラウシ山でもつい最近遭難事故が起きたのが記憶に新しい)。このあたりは後日「思考」のカテゴリでエントリ作成を予定。
とにもかくにも、20分弱で富岳風穴に到着。入り口は広大なので圧巻であるが、内部は西湖コウモリ穴の構造とそう大差ある訳ではなし。

富岳風穴→十二ヶ岳登山口(いずみの湯)

富岳風穴からはレトロバスに乗って目指すは西湖湖岸の温泉「いずみの湯」。現在宿泊中のホテルの大浴場があまりなので、るるぶにも紹介があった日帰り温泉で、トレッキングでかいた汗を流すことにした。

十二ヶ岳登山口(いずみの湯)→河口湖宝石館→河口湖ハーブ館→河口湖温泉郷

十二ヶ岳登山口(いずみの湯)から再度レトロバスに乗って一路帰路へ。時刻はおよそ17:00、折角なので、河口湖沿岸の観光施設に寄ってみた。
以上で本日の旅路は終了。お疲れ様でした。

*1:水中では溶岩が急冷されてしまうため風穴が形成されない。

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