古賀氏が本当に「停電テロ」などと言ったかどうかは、正直まだ疑問が残るが、その真偽如何に関わらず「最悪の事態」になったとだけは断言できる。何がか? 今、原発で供給できない電力は老朽化した水力・火力発電所を無理矢理稼働させて補っている。それでも夏期の電力需要に足りない。こんな“過負荷”状態では、いつかどこかで発電所に事故が起きて電力供給が途絶えるだろう。この事態に至れば「陰謀論好きの反原発論者」はこぞって「ほら見たことか。事故ではなく原発再稼働の為の故意のテロだ」と喚きだす。そしてもう一つ肝心なのが、この疑念によって電力供給の突然の途絶の責任や怒りの矛先が、事故を起こすまいと必死だった電力会社(上層部はどうか知らないが、少なくとも現場は必死だろう)に向かうようになってしまうことである。現場の必死さに冷水ぶっかける事になる。その結果は、最早述べるまでもなし。
日本中が“疑念”という「呪い」に罹ってしまった。これを最悪の事態と呼ばすして何と言う。