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救急車有料化に関する私案

政府の審議会で軽症患者の救急車利用の有料化が提案された。さて、これに関しては色々議論のあるところだろうが、そもそも車と人手を使っているのに無料だったのは「人命優先」という大義があったからだが、悲しいかな、現状は綺麗ごとを言ってられなくなってきた、それだけの話である。
しかし、本当に救急搬送は必要な人まで使用を躊躇されては困る。ならばある一定の基準を設けて、搬送が必要である人は無料とすればよいのだが、線引きが難しい。単純にデポジット制にして、重症の場合のみ返金する、という手もあるが、例えば「入院が必要な場合返金する」とすると、夜間に「入院させろ」と当直医に迫る光景が目に浮かぶ。少なくとも、医師の診断の裁量に委ねられるところを基準にされると、曖昧さが残るからダメだ。
ならば。重症ならどうなるか。救急車が本当に必要なほど重症なら、手術するにせよ、ICUに入るにせよ、抗生剤を盛るにせよ、長期入院になるにせよ、とかく結局金がかかるのである。ならば重症の度合いを「医療費」に置き換えてしまえばいい。というか、DPCなんぞそのためにあるようなものだろう? DPCだと一疾患に対して一定の額しか払われないのだから、こちとら合併症の多い患者を助ければ助けるほど赤字になるシステムだ。忌々しいが、逆に利用させてもらえばいい。つまり、「入院して一定金額以上の医療費を要した場合、救急搬送時のデポジットを差し引く」である。例を挙げれば、救急搬送のデポジットは3000円だとして、入院して医療費が45000円であれば、搬送費の3000円を差し引いて42000円を支払う。薬の処方だけで終わって医療費が500円なら、救急搬送分の3000円と合わせて3500円を支払う。まさか3000円のデポジットを取り戻すために42000円を支払う気には、なるまい。そして医療費がかさんだ時に値引きされるなら、悪い気はしまい。
…本当はこういう話は、医者の立場からはしたくないんだけど。しかし、そろばんを弾かねば病床数が減らされ、救える患者が減ってしまうご時世に、なってしまった。なら、こちらも生き残りをかけるさ。

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