死も人生の一部だろ?
世の中には 望んだ"死に方"を…
"生き方"を選べない人だっているんだ
だからさ…
お祖母ちゃんの"生き方"を 俺は否定したくない
吉田優希・Rootport 『ドランク インベーダー』第10話「ヴェニスに」
死は、"ごく一部の棄却域を除いて"忌まわしき、避けたいものである。しかし、遅かれ早かれという差異はあれど、現状ではどうあがいても不可避なものでもある。それを受け入れたくないから、無茶苦茶を言う。千年以上前から、人間の本質など、変わりはしないのだ。
而して、自害は除くとしても、自分の生涯を、自分の意志のままに貫いて、"結果的に"死に至る人生は、実に幸福な事ではないのか。
この話の終わり、主人公は、これからイタリアに赴こうとする祖母*1と「ヴェニスに」と声をかけあいながら「ヱビスビール」で酒を交わす。Yebisとヴェニスをかけたのまでは分かったが…暫く経って気づいた。『ヴェニスに死す』か。
あたかも1万年を生きるかのように行動するな。不可避のものが君の上にかかっている。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。
*1:主人公の父親は"祖母"の養子なので、主人公とは血は繋がっていない