もちろん、人生がそれで終わってしまうわけではない。本当の「あがき」は、達観したその瞬間から始まる。万物は流転する。私たちはぐるりと大きく回って、出発点へと戻るだけである。
茂木健一郎 「偶有性の自然誌」第二回 何も死ぬことはない
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「ぐるりと大きく回って、出発点へと戻る」だけ、か?
確かに、一方向から見れば同じ場所を飽きもせずグルグル廻っているだけかもしれない。しかし、他方から眺めれば、果たしてどうだろうか? もし、「循環に戻りて、而して元の位置に非」ざれば、それは“進歩”と言えるのではないか?
ならば世界は閉じた輪ではなく、螺旋を描くだろうよ。数多の矛盾を内包しつつ、止揚して世界も我々も進歩するのだ。