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Operation Spring Sprinter day3

terra-khan.hatenablog.jp
昨日の続き。今日はトレッキング回。

安政火口トレッキング

一時はどうなることかと思ったガイド依頼も成立。11:00出発となった。となると昼食が必要になったので、一旦山を下りて上富良野町ツルハドラッグカロリーメイトゼリーを買ってきた。

出発前に「十勝岳温泉 湯元 凌雲閣」のテラスから安政火口を望む


で、

ここまで行きます。

トレッキング開始

駐車場脇の、積雪の残る場所でスノーシューを履く。その写真は撮ってなかったな。
モンベル製だと
webshop.montbell.jp
こんな感じ。
ちなみに今年の1月の裏磐梯で装備したのが和かんじき。

5月だが、まだまだ積雪がある。ハイマツ帯も積雪の下。その上を登っていく。

風衝樹形


マツの枝が左側に寄っている。山頂からの強烈な風により枝の生長が影響し、風下側に枝がのびる独特の樹形になる。これを風衝樹形という。

雪が無くなればここいら一帯はハイマツなどの灌木地帯になるので、登山道は別な場所なのだが、今は低木は雪の下。その雪の上を登る。残雪期にしかできない登り方だ。

エゾユキウサギの💩


まん丸な💩。餌の乏しい冬季は、樹皮を食べて生き延びるという。雪の上にマツが出ている場所は、ウサギの格好の餌場だ。あちこちに糞がある。
ただ、未だにエゾユキウサギを見たことが無い、ということをガイドさんに話したところ、エゾユキウサギは夜行性なので日中に見かけることは少ないだろうとのこと。

残雪に残る無数の足跡。実は、スキーやスノボを抱えて登っていく人たちがそれなりにいる。2、3時間かけて登り、10分くらいで滑降するのだとか。

拡大しないと分かりにくいが、向こう側の斜面の雪にシュプールが残っている。あんな急坂を滑降したんかい…

三段山


左手には三段山。

右手には中央から上ホロカメットク山の山頂、八ッ手岩、化け物岩が並ぶ。

ヌッカクシフラヌイ川


本来の登山道の一部が雪が融けている。安政火口の中央を流れるヌッカクシフラヌイ川も、この時期は積雪の下。

凌雲閣と富良野盆地


出発地点の凌雲閣がかなり遠くなった。昨日は霞んで見えなかった、上富良野町市街地のある富良野盆地もはっきり見える。ガイドさんが言うには「暑寒別岳も見えることがあるんですよ」。いやーまたまた…

このあたりは雪が融けて登山道が剥き出しになっている。

安政火口入り口


噴火を観測するカメラが設置されている地点まで到達。
2009年9月3日、父と、今は亡き祖父と登った場所がここ。
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縞縞の雲

夫婦岩


二本の柱状の岩が立っている。こういう名前があることは今回初めて知った。が…これ、アレだ。wikipedia:岩頸だ。
夫婦岩の2本しかないと思ったら、裏側に一杯あるんですよ」
「いこう」「いこう」
そういうことになった。

残雪の急勾配を降りていく。

マジか…


化物岩に向かって直登して滑降した跡がある。勿論化物岩直下はハイマツ帯なので残雪期でなければこんなことはできない、が…この急勾配を登ったんかい。

そうでなくても、安政火口の底の雪を滑る人たちはちらほら。

會田久左エ門の歌碑


化物岩と、中央から左下にある石碑。「會田久左エ門の歌碑」+αである。…なんだよ、+αって。
會田久左エ門氏は「凌雲閣」の初代で、安政火口の奥から温泉を導引して温泉宿を開いた方。1974年(昭和49年)に、温泉の導引に不具合があり修理に向かい、下山する途中のこの地で急逝してしまったとのこと。十勝岳温泉の開闢に尽力した功績を称えようと、有志が記念碑を立てようと考えたが、この時期には国立公園になっていたため、個人を顕彰するものの設置は許可されなかったらしい。ならば「登山道の道標として建てるなら問題ないだろう?」という口実で設けたのが、この石碑ということらしい。勿論、どちらがαなのかは、言うまでも無し。
「…というのが、うちのおじいちゃんの話。」…なんですと?

この位置からだと八ッ手岩の形も違って見えてくる。

写っているのは先行しているガイドさん。

夫婦岩も横から見る位置になる。よく見るとその周りにも突起が多数…これ、全部、岩頸。

荒涼とした大地を行く


地熱のせいで途中から雪は無くなる。スノーシューをパージして、岩石地帯を登っていく。

上ホロの山頂が近い…

振り返れば化物岩も遠い。

滝だ!


荒涼とした大地の先にあったのは「滝」だった。

雪解け水が、段差を流れ落ちて滝になっていた。この光景は想定外だった。

噴気孔と硫黄の結晶



まわりの噴気孔からは100℃近くの火山ガスが噴き出ていて、その周りには硫黄が結晶化している。

見えた!


振り返ったら、富良野盆地の向こうの向こうに、冠雪頂く山々が見える。暑寒別岳だ! 本当に見えた!!

下山開始

幻の滝を見たところで、引き返す。

謎の造形


残雪の上に茶色の土が被っているところは多かったが、何故かここだけ乳頭状の突起だらけになっている。なじぇ?

で、ガイドさんから。「折角だから雪が残っている谷底歩いて下ります?」
「ゆこう」「ゆこう」
そういうことになった。

ヌッカクシフラヌイ川の谷底下り


本来ならばここは登山道直下の谷底なのだが、まだ2m程の積雪が残っている。まるでU字谷

谷底から安政火口を望む


この季節にしか見られない光景。


両側から岩がせり出して狭くなっている。まさに門。

雪の下の川


門の近くは残雪が薄いようで、積雪の下を流れる水の流れが見えている。

なぁに、あれ?


さらに下っていくと、大きな岩を発見。でも何かおかしいぞ?

なんと台座のような小さな岩の上に、大きな岩が乗っかっている。オブジェのようだ。
上から転がり落ちたこんな大きな岩が、下の小さな岩の上に丁度良く乗っかるとは考えにくい。まだ冬の最中に転がり落ちたこの大岩が、春になって雪が融けるにしたがって沈んでいき、その先に偶然台座のような岩があって、それに乗っかってしまった、といったところだろうか。しかし、偶然にしても見事なものだ。

デジャヴュ


先の大岩の付近から見返すと、残雪のある谷の向こう側に上ホロカメットク山の山頂と八つ手岩が見える。なんか「ヨセミテ国立公園」っぽくない?

化物岩の下を過ぎる


さっきの大岩からさらに下った方が、上ホロカメットク山の山頂と八つ手岩が見える。それにしたって、谷底からこういう景色を見ることは、夏季は無理なのだから、贅沢なものだ。

砂防ダム近くから


さすがにここまで下ってくると、凌雲閣のテラスから望む景色と大差はなくなる。

砂防ダムから

砂防ダム近くから凌雲閣を望む


あれほど遠かった凌雲閣も目前。で、だ。その砂防ダム堤体の先、写真中央に、何かある。

凌雲閣温泉井戸


これ、凌雲閣の温泉の井戸。凌雲閣開湯時は、それこそ安政火口の、さっきの滝の近辺から温泉が湧き出ていて、それをビニル管で導引していたのだが、2000年代に何故か温泉がわき出さなくなってしまった。そこでこの地点をボーリングし、新たに温泉を供給する井戸が設けられた。
しかし、此処は大雪山国立公園の内部。そんな採掘は容易にできる訳はない…のだが、そこで再び凌雲閣初代の登場。まだこの一帯が国立公園に指定される前に、この一帯の採掘権を得ていた。それは国立公園指定以降も有効であったので、無事ボーリングのうえ温泉が維持できるようになったというわけ。

無茶言うなし


その堤体から、右手の崖に野鳥が。といっても枯れ枝に隠れている上に、今回は望遠レンズは持ってこなかった。標準レンズで撮影しようったって、無理だよ。

堤体から帰路へ


砂防ダム堤体と、上り始めのハイマツ残雪地帯の標高はほとんど同じ。少しばかり登って、来た道を戻る。
スノーシューとストックを返却し、ガイド料を支払った。お疲れさまでした。
しかし…まさか昨年のアポイ岳登山のガイドさんとお知り合いとはねぇ…ガイドさんとも楽しく話ができて良かった。
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トレッキング記録


GPSデータを「カシミール3D」で写真撮影データとともに地図上に記録したもの。

十勝岳温泉 湯元 凌雲閣→壺屋 き花の杜→実家

下山して、凌雲閣で汗を流したらもう14時過ぎ。

まぁ、郷里旭川まで、もはや指呼の距離。予定などどうとでもなる。もし悪天候なら、さっさと実家に帰って…いや、その前にやることがある。「天金」に行こう。
故実家に帰る前に? 親と行けばよいのでは? …"行けない"から、そうしている。
俺は「天金」のラーメンが大好きなのだが、母が好きではないのだ。結果、両親と俺の意見の最大公約数として「橙ヤ」が選ばれるのである。
いや、橙ヤも大好きだよ? でもさ、実家に帰ったら必ずこれじゃぁさぁ…

昼食にラーメンどころではなくなってしまった。急ぎ向かうは「壺屋 き花の杜」。
tsuboya.net
「き花」はウチの病棟看護師からの最優先リクエストでもある。それにここでしか手に入らないお菓子もあるので、俺のお土産御用達である。
あとは実家に帰って、我が家秘伝のジンギスカン鍋を食べるのである。

明日でこの旅も終わりかぁ。
とはいえ、単に帰るだけにする気はないがな。

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