wikipedia:ミクロビオテリウム科の改訂がしたい。
ミクロビオテリウム科(そして唯一の残存種であるチロエオポッサム)は、有袋類の一種であるが南米が生息地であるのにも関わらず、近縁は米州袋類(オポッサム形目など)ではなく豪州袋類(カンガルーやコアラ、バンディクートなど)であることが化石の形態学や分子学的検索の結果から明らかにされている。つまり、有袋類の共通祖先からまず米州袋類と豪州袋類に分かれ、豪州袋類は南米から当時陸続きだった南極・オーストラリア大陸に分布を広げ、のちに南極大陸とオーストラリア大陸は分離し、南極は現在の通り極寒の地ですべての有袋類は絶滅した。一方、孤立したオーストラリア大陸は真獣類の侵入が(人為的にされるか、コウモリ類など空を飛ぶ真獣類以外は)なかったため、有袋類の"王国"となった。
その過程で、南米から南極を経てオーストラリア大陸に至る行程の豪州袋類の一部が、そのまま南極に向かわず南米に居ついたのがミクロビオテリウム科である。化石種はもっと色々いたようだが、今はチロエオポッサム1種しかいない。
なんとも生物の進化の過程を示す興味沸き立つ話ではないか。日本語版は「ミクロビオテリウム科」のwikipedia記事はそれなりに記載されているものの「脚注による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です。」がつき、「チロエオポッサム科」に至っては、上記の内容が"要出典"になっている。PLOS Biologyに掲載された論文の通りなんだがなぁ。
journals.plos.org
英語版wikipediaには明記されている。
時間に余裕があったら、このあたりの日本語版を改訂したいな。