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Operation Peridot extended day7 "Successful Failure"「撤退と反攻」

前日談はこちら。
terra-khan.hatenablog.jp
さて、今日は"Operation Peridot extended 2nd Mission"知床五湖探訪の旅。さてどうなりますか。

しれとこ村→知床五湖フィールドハウス

宿泊地のしれとこ村で朝食を摂る。


焼き魚と、卓上炉で汁物が出るのだが、割と悠長に朝食を摂っている暇はない。8:50までに「知床五湖フィールドハウス」に到着していなければならない。ここから知床五湖フィールドハウスまで約30分、7:30に食事を摂って、8:10にはチェックアウトを済まさねばならない。

知床五湖

10年近く前の知床は遊歩道は出入り自由であったが、数年前の両親を連れての知床探訪時には、知床五湖…だけではなく一湖・二湖探訪でも、ネイチャーガイドによるツアーを申し込まねば探訪できないようになっていた。なので、昨日の「夜の動物ウォッチング」と同じく、「知床ネイチャーオフィス」にツアー申込をしていたのである。
www.sno.co.jp
実は、申し込みの際に「参加はできますが送迎の車の席が満車なので現地集合でいいですか?」「え? 送迎あったんですか?」
1日目のウトナイ湖探索ではないが、俺の車には長靴常備、撮影資材を考えても、へたに送迎されるよりは、現地集合の方が余程都合がよいのである。

知床五湖トレッキング開始

まず、知床五湖フィールドハウスの研修室で「ヒグマに出会ったときの対処法」についての15分程の講習を受ける。この講習の受講証を受けて、ようやく知床五湖トレッキングが開始できるのである。

知床五湖遊歩道案内板


研修室を出てお目にかかる案内板。遊歩道を予定通り周回したら、ここには戻ってこないので、まず希望があればここで記念撮影をする。

アザミ?

クソデカ水芭蕉の葉


人の大きさと比較して欲しい。あの水芭蕉の葉が、クソデカい。「クソデカ羅生門」くらいデカい。なぜこんなことに。
水芭蕉はヒグマの餌で食べられていたので「クソデカくなる暇がなかった」のである。しかし、そもそもバショウ科の植物には毒物であるアルカロイドが含まれている。それでもヒグマが水芭蕉を食べていたのは、他に食物が無かったから。毒で具合悪くなっても、他に食料が無いので仕方なく食べてた。しかし他に良い餌があるなら、わざわざ不味い水芭蕉なんぞ食いたくもない。その結果、食べられることのなかった水芭蕉が、どんどん成長して、ここまで巨大化したのである。

倒木更新


倒れた樹木の上で育つカラマツ。こんなにちっちゃくても、樹齢7年くらい。
さて、カラマツと言ったが、北海道に自生するマツはエゾマツとトドマツ。カラマツは外来種で、知床開拓の時代に他所から植林されたもの。見分けは単純、エゾマツ・トドマツは枝が下方に斜めに下がるのに対し、カラマツは写真の通り枝が幹に垂直に生えている。クリスマスツリーのあれだ。冬になったら、文字通り「クリスマスツリー」に見えるらしい。
なお、今回のガイドさん、以前にノルウェーからの観光客を案内したことがあって「北欧の森に似てるでしょ」と言ったら「いや、ノルウェーじゃない、フィンランドの森だ」と言われたそうで。あー、そりゃ、スカンジナビアスオミじゃ、違うわなぁ…と思った。口にはしなかったけど。

苔生した岩


知床五湖大沼公園や象潟と同じく、火山の火砕流が来た地で、こういう大きな岩がゴロゴロしている。この岩が、開拓を妨げ、今の自然遺産を保っているのだから、皮肉なものである。

さて、もう少しで最初の湖、五湖に到着するはず、だったのだ。

ツアー中止

ガイドさんの無線に入電。先発隊が遊歩道上でヒグマの親子に遭遇。先発隊は後退しヒグマの親子はロスト。

知床五湖すべてのツアー中止
総 員 撤 退
来た道を引き返し、知床五湖フィールドハウスまで戻り、脇の一方通行ゲートから駐車場側に戻ることに。
ここで今日まだ知床にいる予定なら、ツアー再開時に連絡を貰うようなのだが、残念ながら俺は今日は午後には網走向かわねばならない。知床五湖ツアーなのに湖一つ見られなかったので、ガイド料はなし。

木道遊歩道へ

知床五湖の遊歩道が閉鎖されてしまったため、常時解放されている、一湖までの高架木道遊歩道に行く。先の知床五湖ツアーに参加しない観光客は、この一湖まで続く高架の木道遊歩道を歩くことになる。

高架木道遊歩道


なぜ常時解放されているか。この遊歩道は高架で、かつ電気柵で囲ってあるため、ヒグマを含む野生動物がここまで来ない安全区域だからである。逆に先の知床五湖ツアーは、この安全区域外に出ることになる。もしヒグマがでなかったならば、この遊歩道の末端に、一方通行のゲートを通って戻って来る予定であったのだ(木道から知床五湖遊歩道への侵入は不可)。
前回の両親と一緒に来た時にはヒグマの親子が見えたが…




とにかく鹿、鹿、鹿!!

一湖

木道から唯一眺められる知床五湖。その向こうの知床連山…は、望めるはずもなく。

一湖のスイレン


一湖の湖面に咲くスイレン。実はスイレン、先のカラマツと同じように、開拓者が残した外来種なのである。
www.hokkaido-np.co.jp

シカでした

まだまだ続く鹿ラッシュ。


近づいてくれるのはいいんだけどさぁ…鹿しかいねぇ。寒いオヤジギャグにしかならねぇ。

この中に何頭エゾシカがいるかわかりますか?
気分はまさに「シカでした」
dic.nicovideo.jp
だって、鹿がわんさかいて呑気に草食んでるってことは、近くにクマはいないということだ。正午も近くなったため、撤退を決断。移動に邪魔なので、レンズを標準に換装して450mm砲はリュックの中に。駐車場に向けて戻っていった。
その途中…

リベンジ成功!

なんか何人かの観光客が、木の枝の先にカメラを向けている。…? なんかいる。
「ホー、ホケキョ!」
ウグイスだ! 直ちにレンズを再度450mm砲に換装し、カメラを向けた途端…逃げられた。
ああ、もう、今日はどうにもならないなぁ、とテンション爆下げで帰ろうかと思った。が、どうにも諦められん。しばらく待っていたところ…
戻ってきた!

ウグイス



まぁ実のところ、ウグイスって鳴き声の割に、見た目はそんな綺麗な鳥ではない*1。でも写真に撮るのは難易度MAX。事実、この旅の1日目のウトナイ湖では、散々鳴き声だけで姿は一向に撮影できなかったのだから。ウトナイ湖での無念、果たしたぜ。

MAP


知床五湖の散策過程までは記録できたが、高架木道からの写真のポジショニングが上手くいかない。

知床→「天に続く道 スタート地点」

道の駅「うとろ・シリエトク」


道の駅「うとろ・シリエトク」でお土産を買う。数年前に来た時には「コケモモキャンディー」が売られていて、甘酸っぱくて大好きだったのだが、今回訪れた時には販売無し。この数年間で製造業者が廃業したのか、それとも大して売れなかったのか…仕方が無いので実家と自分と同僚用に「コケモモジャム」を買った。

道の駅「うとろ・シリエトク」→国道334号町道→「天に続く道 スタート地点」

単にヒグマを撮影するだけなら、午後の予定をキャンセルして(空きがあれば)観光船に乗れば撮影できた可能性は高かったろう。ただ、もう海上からも陸上でも撮影しているのでそこまで執着がない。それに未だ撮影できていないクジラやイルカを見るなら羅臼側の方が良いこと、加えて

アイツら撮影するの無理
だってそうだろう!? 見つけてすぐにカメラを向けたって、その頃には海中に戻ってるんだぞ!? あんなん、どうやって撮影せぇってんだ!!
…ということである。斜里市街地へ向かう。
途中にあるオシンコシンの滝もスルー。もうフルサイズで撮ってるし。
知床半島の"付け根"で農道に入る。その先にあるのは。

天に続く道




まっすぐな道が地平線まで続く絶景。ここから28.1kmもの長さで直線の道路が続く*2。そしてここは海別岳の裾野で、直線道路の丁度東端の標高が高いので、先まで道路が見渡せる。こんな条件のために、この絶景が見られるというわけ。
最初に来たときにはただの農道だったのだが、今では5-6台とはいえ立派な駐車場が設けられ、ついに撮影台までできた。さすがにバス駐車までできるほど広くはないが…。

天に続く道展望台



先の天に続くスタート地点から、少し進むとある「天に続く道展望台」。
ここからは下り坂が続き、降り切ったところは直線道路の末端までずっと標高が同じ。つまり"見下ろせなくなる"ので、眼下に道を見下ろす最後の場所。さらにさっきのスタート地点は防風林があるので、広大な田畑が見通せなかった(逆に言えば、直線道路沿いに防風林が続いていたので道の直線性が強調されていた)が、この場所からはオホーツク海に至るまでの広大な田園風景が見渡せるので、スタート地点とは違う趣を楽しめる。

Cyber-shot RX100 VIによるパノラマ撮影。
丘陵地帯の色彩なら美瑛・富良野が良い。視界360°の広大な地平線なら根釧台地(多和平・900草原・開陽台)にはかなわない。だが、広大な田畑が大いなる海洋の水平線に移り変わるのは、オホーツクの特権だ。

"天に続く道"→道の駅「しゃり」→道の駅「はなやか(葉菜野花)小清水」→小清水原生花園

とはいえ、その"天に続く道"を走り続ける訳でもなく。ガソリンスタンドで給油の後、道道802号で北へ。JR斜里駅に近い、道の駅「しゃり」へ。

道の駅「しゃり」


正直言うと、スタンプラリー帳の捺印以外、あまり用はない。JRでここまで来たなら、観光情報の確認には必要なのかもしれないが。
道の駅「しゃり」からは道道769号を西へ。国道244号に入り、さらに西へ。途中、JR止別駅の「ラーメンきっさ えきばしゃ」のラーメンに惹かれたが…「飯より写真!」。先へ進む。国道244号と391号の重複区間に入り、道は沿岸部へ。

道の駅「はなやか(葉菜野花)小清水」


JR浜小清水駅と一体化した道の駅。写真左端の奥にプラットフォームがある。さすがに腹が減ったので揚げ芋を食う。またスタンプラリー台帳を見せると粗品プレゼントとあるので見せてみたが…あー、うん。
さて、目的の場所は、ここからもう少し西にある。そこまで行こう。

小清水原生花園

このblogでも再三登場した小清水原生花園。濤沸湖とオホーツク海に挟まれた砂州の、高塩濃度と砂地という過酷な環境で咲く花々の楽園。…とはいえ、今までは来るたびに好天に恵まれた試しがない。

アヤメ

エゾカンゾウ

?

知床半島を望む

海別岳

小清水原生花園の高台から望む濤沸湖



Cyber-shot RX100 VIによるパノラマ撮影。左下の線路沿いの駅舎がJR原生花園*3。中央下の建物が「小清水原生花園 インフォメーションセンターHana*4」、この右(西側)に駐車場がある。左側奥の山が海別岳、中央奥は斜里岳

小清水原生花園国道391号網走市街地→「こまば木のひろば」

小清水原生花園から今日の宿泊地まではもはや指呼の距離。ただ、時間がもったいないなぁ…と思っていたのだが、そういや知床ネイチャーオフィスのガイドさんが言ってたな。
「モモンガを見たいなら、網走の『こばまの森』っていうところで目撃されてるみたいですよ」
夕方の方が好都合。モモンガは夜行性。日中より夕方の方が活動し始めるだろう。行くか。

「こばま木のひろば」

スマホでNAVIGATEカーナビを起動させ向かったものの…住宅地のど真ん中にでた。おいおい*5。仕方が無いのでYahoo! カーナビで改めて向かって、公式の駐車場に行けた。

この森、南北に長い。市街地やショッピングモールと、国道391号から見上げる海食崖の間にある。ギリギリまで住宅地・商業施設があるので、どこに駐車したらいいのかさっぱり分からないのである。Yahoo! カーナビは優秀であった。

エゾリス


で、いるわいるわ、エゾリス。実は"遠方撮影状態"にしていたので"近くに寄ってき過ぎたので撮れない"という、実にマヌケな事態すら発生したのである

跳躍の瞬間。エゾリスが木々を跳躍して移動する瞬間をとらえることができた。

さて、時間がないので遊歩道を移動してモモンガを探す。って、おい!

なんで悠長に遊歩道を歩いてるんだよ!

キタキツネ


それこそ木陰で撮影するつもりだったので、撮ったJPEGは露光オーバーになりクソ状態だったが、RAWデータがあったので、どうにかなったという。

…ったく、昨日の夜の動物ウォッチングは何だったんだ…

エゾリス



いや、嘗て苦労したエゾリスの撮影ができたんだから満足なんですけどね。ねぇ…

ホントの事言うと。1回だけ、木の枝から枝へ、明らかにエゾリスの跳躍ではない長距離を移動した影を、見たんですよ。多分、あれがモモンガ。生涯で初めて見た。だが「撮れなかったものは、見なかったのと同じ」。…また、来ればいいことだ。

「こまば木のひろば」→「北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート」

「こまば木のひろば」から天都山の裏を抜けて、本日の宿泊地である網走湖に近い「北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート」に到着。ハイクラスの高級リゾートホテルである。
ホントのこと言うと。別に贅沢したかった訳ではない。元々はサロマ湖畔の宿をとっていたのだが、計画を見直すと「どう考えても知床-サロマ湖までの間で"色々やらかす"だろ」という予想がついた。となると、もっと近い場所に宿泊地点を設けなければならない。しかし急な変更なもんで、じゃらんで検索すると、近場の宿が北見になってしまう。もっと遠いわ! ということで、空きがあったココになった、という経緯がある。とはいえ、明日の宿泊は実家。事実上最後の宿泊地なので、贅に耽っても、問題はあるまい。

「北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート」

www.hokutennooka.com


先日のパチモンとは違って、流石は高級リゾート大手。清潔で行き届いた設備、素晴らしい応対。あと微妙にありがたいのは、入浴に使うタオル・バスタオルがワンスルー(同じものを客室に持ち帰って1日使うのではなく、入浴の度に新しいのを使う)なのが、最強の贅沢でと思っている。尤も、食後の2回目は入浴ではなく岩盤浴岩盤浴用の浴衣を使ったので、その贅沢を使った訳でも、ないのだが。
食事は、ねぇ…朝食・夕食共にビュッフェスタイルだったもので。ついでに90分間飲み放題だったので、がっつり飲ませてもらった。まぁ、うん、"元は取ったんじゃないかな"。

*1:所謂"ウグイス色"なのは、実はメジロ

*2:実は国道244号が北に曲がる地点で、わずかに直線ではなくなるのだが。

*3:臨時駅

*4:道の駅「はなやか(葉菜野花)小清水」とは別物

*5:これ以後もクソッタレなナビゲーションしかしなかったので解約した

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