激戦の第一外科実習が終わったのをいいことに、ちょっとした衝動買いをしてしまった。…購入の予定など立ててはいなかった。なぜならそこに“あるとさえ思っていなかったから”。
- 作者: 奈須きのこ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/06/08
- メディア: 新書
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わかる人にはすぐ分かるだろう。TYPE-MOONの創始者の一人、“月姫の菌糸類”の小説である。
念のためもう一度記す。小説、である。そこに“萌え”などという因子は最早介入し得ない。そこにあるのはただ作者の世界観の中で動く人間模様である(ILLUST・MUSIC・18禁シーンの有無を問わなければ、「月姫」や「Fate」だってそうなのだが)。どうもオレはこの菌糸類の描く世界観や価値観にえらく惚れ込んでいるらしい。まぁ凛には確かに萌えるとしてもそれが一番のFactorなのであって、他の要因は二の次以下である。事実、「Fate」に至ってはPlayすらしていない(!)のだから。事もあろうに意図的にネタバレさせた挙句必要な骨子のみ、かっ攫っていったようなものである。実に不届きなファンだな(藁
恐らくは、感覚の基本設計が似てるんだろうよ。だからこそオレの思考に良く馴染む。勿論、精神分析で言うところの「同一化」だという指摘もあろうが、少なくともただ無批判に受容するのではなく、異化から同化を経る“精神的消化過程”を踏まえている分、一線を画して頂きたいものであるし、またただの防衛機制ではなく、“自己の一部”として“結果”を生ぜしめる兵力となっていることをご理解頂きたいものだ。
その最たる例が、この起動呪式だろう?
この躯は運命の歯車でできている
I am a cogwheel of the fate.
炉に情熱の灯火を
I've already fired furnace of my heart,
坩堝に涙と血液を
And kept blood and tears in crucible of my brain.
数多の批評を鉄槌に
Criticism is my hammer,
五臓六腑を鍛床に
And organ is my anvil.
彼の者は独り、現実に抗う / 彼の者は独り、理想に焦死する
Withstanding too much pain to realize ideal. / Withstood too much pain to realize ideal.
私は望む / 望むことは無く
I need to Hope / No Need to Hope
幸福の錬成を / 望まれることも無い
To make you as happy as possible, / Nor Known to Hope
我が身を毀ちて対価と成す / 理解者は徒の一人も無く、独り悦に入る
No matter how I must compensate. / With no meaning, nor being.
穿つ槍のみ我が存在の証明
Create the lance to penetrate your grief.
この体はきっと ——
So as I pray ——
無限の流血で出来ていた
“Unlimited Blood Works”