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道の駅攻略戦グランドツアー ファイナル 道東制圧戦 Day6

標津到着。タイムスタンプ確保。本日の宿泊地、ネット環境がダイヤルアップで有料(藁)通信費が宿泊料を超えたんじゃシャレにならん。
帰札してから改めて旅行記記載。ではどうぞ。

知床五湖・フレペ滝ネイチャーウォッチング

今日は午前中いっばいネイチャーガイドさんと共にネイチャーウォッチングに出かける。昨日独りで出かけたのとは違う発見があるかな? ガイドは昨日に引き続き、「知床ネイチャーオフィス」の矢代武士さん。何卒宜しく。
出発前にホテルのチェックアウトを済ませ、登山靴に履き替えて待機。7:50、ガイドさんの車到着。俺の他にもう一組のカポーを別のホテルで乗せて、いざ(再び)知床五湖へ。

エゾシカ食害による立ち枯れ


まず教えてもらったのはエゾシカの食害。知床一帯で爆発的に増加したエゾシカが樹皮を食い尽くしてしまい立ち枯れてしまった木。まるで白骨。

遊歩道沿いのエゾシカ I (知床五湖)


遊歩道沿いのすぐそばでエゾシカが食事している。こうも易々とエゾシカに遭えるのは、観光的には幸運なのだが、先の食害の話がある分、複雑である。

エゾシカ・オスの角の研ぎ跡


指摘されなければ気付かないだろう樹皮の剥奪した箇所。オスのオゾシカが角を研いだ跡。

一湖と知床連山


一湖到着。今日は午前中は晴れていたため、昨日と違い知床連山が望めた。逆光なのは致し方なし。だが水面に陽光がキラキラ光って美しい。

岩を抱く松の根


知床は連山がすべて火山である通り、山頂からの溶岩から成り立っている。当然過去に噴火した火山礫や山体崩壊の時の岩が半島全体にゴロゴロしている(それ故、この一帯の開墾に失敗し、結果原始の自然環境が残される結果となった訳だが…)。岩の上に芽吹いた木は生長とともに岩を抱いた状態で大きくなるが、土壌に深く根を下ろせないため、大きくなるにつれてその不安定性のため自己を支えられなくなり倒木する事が宿命付けられている。

ホコリタケ


その木の根に見つけたホコリタケ。こんな形でも立派なキノコである。袋状の菌体に触れるとボフッと胞子が噴出する(それ故「ホコリタケ」の名がある)。動物が触れたときに胞子を噴出して移動する移動する動物の体に付着し、胞子を遠くに運んでもらおうという戦略だ。

エゾマツの幼木


倒木の上に芽吹いた幼木。僅か数cmしかないが、立派な“木”のカタチをなしている。とてもかわいい。

水面に映る知床連山(知床五湖・二湖)


二湖到着。凪のため湖面がまるで鏡のように知床連山を映し出している。

二湖と知床連山


二湖全景。
これよりバイパスルートで駐車場・レストハウスに戻る。次の目的地、フレペの滝を目指す。昨日のうちに五湖全てを廻っておいたのは、正解だったかもしれない。

ヒグマの爪痕


パイパスルート途中にあった、ヒグマの爪跡。同行していたカポーの女性が戦慄とともに大変感動していた。
幹の隣の蔓はサルナシ*1。恐らく、サルナシの実を食べに木を登ったのだろう。

知床五湖レストハウス


という訳で、コクワのジャムを買ってみた。後で食べてみたが、甘みを抑えたキウイフルーツのジャムといった感じ。…コケモモのジャムを買っておくべきだった。
知床五湖を後にし、道道93号を戻って国道334号との分岐付近にある知床自然センター*2で駐車。フレペの滝に向かう道はこの裏手より始まる。
駐車場で車を降りたところで、木からボテっと落ちてくるものが。あ、蝉だ。

コエゾゼミ


背中に逆M字があるのが特徴。
暫しのトイレタイムの後、フレペの滝に向けて出発。自然センター付近は一度開墾されているため、変遷途中の二次林となっている。森林浴を楽しみながらテクテク歩いていくと、笹薮がガサガサ。奴だ。

遊歩道沿いのエゾシカ II (フレペの滝)


さらに道を進んでいくと、木のノック音がこだまし始めた。歩を止めて暫し待つ。遊歩道の上空を飛ぶ影が。いた!

アカゲラ


遂に念願のキツツキ撮影に成功。黒松内でのリベンジ*3はここ知床で達成されたっ!

フレペの滝 I

フレペの滝 II


林を抜け、草原に出たら展望台はもうすぐ。道の末端にあずまやがあり、そこからフレペの滝を望むことが出来る。上の写真ではよく分からないかもしれないが、切り立った壁の凹んだ切痕状の所に滝がある。
この滝、河川が岸壁を落ちるのではない。岸壁途中の滞水層から流出した地下水が滝になって海に流れ落ちるのである。

コガネムシ


道の途中で見つけたコガネムシ。金色に輝く殻が美しい。
知床自然センターに戻って12:00前。これにてネイチャーウォッチングは終了。皆様お疲れ様でした。
昼食はガイドさんに教えてもらった「熊の屋」という飲食店で頂く。これにて知床探訪は終了。今度は羅臼岳登山か羅臼湖トレッキングがしたいな。

国道334号→国道335号→国道244号→道道950号→野付半島

再び知床横断道路で知床峠を経て羅臼へ。午前中は晴れ間も見えていたが、この時間には既に完全に雲隠れ。昨日写真に撮っておかねば羅臼岳拝顔は適わなかったな。昨日のうちに羅臼町内で見たいところは廻っておいたことと、峠越えすると昨日とは打って変わって根室海峡側の方が天気が悪い。どこにも寄るコト無しに一路標津を目指す。
車を走らせること2時間、宿泊地標津町に到着。だが午後3時、早すぎる。標津サーモン科学館に寄るのも考えたが、明日予定していた野付半島探訪を前倒しにすることにした。
標津町市街地を抜けて、野付半島を走る道道950号へ左折。…って、何なんだこの光景は。

野付半島


map:x145.2211y43.6229
道路を中心に両側に海が迫る。幅は100m強といったところか。まあ、衛星写真を見るに、野付半島そのものがかなり異質な構造である以上、こういうものなのかもしれないが…こんな地形を作り出した自然の威力に感嘆。

ナラワラ


道道の中間地点ぐらいにある奇観。湾を挟んで対岸にある砂嘴のナラ林が塩害・地盤沈下により立ち枯れた「ナラワラ」。野付半島の特徴的な景観の一つである。
野付半島の先端を目指しすすむ。道道の末端の手前に、野付半島観光の基地となる「野付半島ネイチャーセンター」がある。
map:x145.3354y43.5900
このネイチャーセンターの裏手から、南側の延びる砂嘴の半島を縦断する散策路が設けられている。天候は小雨、および強風。だから何だ、それが怖くて写真撮影やってられっかい! 元々知床ネイチャーウォッチング用に準備してきた上下防寒具・雨具のフル装備で、行軍開始だ。
この砂嘴は全体が原生花園のような状態にある。小清水原生花園と同じく、盛りの時期は過ぎているが、足下を見ればやっぱり健気な花が見られるのだ。

ツリガネニンジン


ちなみに写りこんでいるのは俺の手。強風のため撮影時に花が風で揺れないように支えているだけであって、摘み取っている訳ではないので悪しからず*4。他にも何種類もの花があったが、小清水原生花園と同種のものだったので撮影せず。そりゃ、両方とも海岸砂地の塩性土壌に生きる植物だからなぁ。
だんだん雨風が強くなってきた。荒野のど真ん中で遮る物の無い荒々しい自然環境こそ、この地の特徴なのだろう。引き下がりはしないがな。
という訳で行軍30分。砂嘴の末端に到達。ここにあるものこそ、野付半島の風景の代表格、トドワラだ。

トドワラ I

トドワラ II


map:x145.3232y43.5821
ナラワラがナラの立ち枯れなら、こちらはトドマツの立ち枯れだ。白骨の如きトドマツの枯れ木の周りに、嵐の中咲き乱れる紫のウラギク。まるで死者への手向けの花のよう。
下の写真の通り、砂嘴末端には木道が張り巡らされていて、湿原探訪や対岸の砂嘴に渡ることも出来るのだが、シーズンも過ぎていたためか渡海の木道は一部倒壊し、そもそもいよいよ雨脚が強くなってきた。撤収!

道道950号→野付半島

ネイチャーセンターで一息入れたところで、もはや日暮れの時刻。だがまだ時間はある。車の走れるところまで末端を目指す。

野付崎灯台


map:x145.3476y43.5681
とはいえ、すぐに到着。末端は小規模な駐車場になっており、ここから先は徒歩または自転車しか通れない領域。遥か遠くには野付崎灯台。“地の果て”っぷりが著しい。凄い所まで来てしまったなぁ。
ちなみに野付半島には、別海町尾岱沼から遊覧船で到達することも可能。半島内側の砂嘴の先端にある“一本松”など、海側しか見られない風景もある。季節になれば野付湾にはシマエビ漁のために、純白の帆の打瀬舟が浮かぶ。そんな風景も、今度は見てみたいなぁ。

道道950号→国道244号→標津温泉

改めて来た道を戻り、標津町に帰還。今日の宿である標津温泉で、夕食の前に温泉で冷えた体を温める。夕食は当然、鮭。美味かったなぁ。しかし今日は疲れた(午前・午後とトレッキングやれば当たり前)。ぐっすり眠ることにしよう。何せ明日は、広大な根釧台地のブレイクスルーだ。では、また明日。

*1:コクワともいう。小さなキウイフルーツのような実を付ける。キウイフルーツというと今でこそニュージーランドが有名で違和感を覚えるかも知れないが、キウイフルーツもコクワもマタタビ科の植物で、元来は東アジア原産の植物。日本に野生のキウイフルーツがあっても不思議ではないのである。

*2:map:x145.0234y44.0915

*3:2007年8月19日の「レンズ性能試験 -島牧&黒松内 II-」参照。この時のピンボケ写真はこちら。

*4:自然公園内で勝手に動植物を採取してはいけません。写真家のマナーです。守れない奴は来るな。

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